ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

八仙粉じん爆発事故、被害者同士が結婚


ニュース 社会 作成日:2018年8月3日_記事番号:T00078518

八仙粉じん爆発事故、被害者同士が結婚

 2015年6月に死者15人、重傷者358人を出した新北市八里区のウオーターパーク、八仙水上楽園でのカラーパウダーによる粉じん爆発事故で、重度のやけどを負ったある20代の女性は、体に残る傷や一人では何もできない自分に嫌気が差し、何度も自殺を考えたことがあったが、リハビリを進める中で出会った同じ事故の被害者男性と結婚。子供ももうけ、平凡ながら幸せな家庭を築いている。

/date/2018/08/03/18kakomi_2.jpgプールでわが子を抱いて幸せそうな韓寧さん(中央社)

 八仙楽園の事故で四肢を中心に全身の85%以上にやけどを負った当時25歳の女性、韓寧さんは事故後、頭部からの皮膚移植手術を繰り返し、6~7カ月間、病院の集中治療室から出られなかった。その間、何をするにも他人の手を借りなければならず、見舞いに来た家族がいつも泣いている姿を見て「自分は役に立たない人間だ」と悲観し、何度も自殺しようと考えたそうだ。

 韓さんは当時婚約しており、既に結婚写真の撮影も終えていた。婚約者の男性は事故後、たびたび見舞いに訪れ、彼女に思いやりを示していたが、結局しばらくして離れていった。

 その後、約1年半をかけてようやく通常の生活を取り戻したが、傷跡の残る体となった自分に自信を持てなくなってしまった。実際、SNS(交流サイト)で彼女のアイコン写真を見て何人かの男性が交際したいと声を掛けてきたが、正直に「体に傷跡がある」と告げると、すぐに興味をなくしたという。

 また友人の紹介で知り合った男性もいたが、積極的にアプローチしてきたものの、傷のことを告げると、「どれほどひどいのか」と写真を見せるよう迫った。韓さんがノースリーブの服を着た写真を送付すると、「じゃ、がんばってね」という言葉を最後に音沙汰がなくなった。

 そんな経験から、彼女は「私を好きになってくれる人はもう現れない」と悲観するようになったが、ある時、同じく八仙楽園の事故でやけどを負った男性と知り合い、ゴールイン。10カ月前にはかわいい赤ちゃんも誕生した。

 夫について韓さんは「同じ傷を持つ彼なら私が嫌になることはないし、私も彼を嫌になることはない」と語り、相手の傷を含めて互いに愛し合えるとの気持ちを持っているそうだ。

 夫から「けがを負って出会っていなければどうなっていただろう」と問われ、韓さんは「けががあったから出会ったけど、前より今の方が幸せ」と語った。事故を乗り越えて自分の人生を取り戻した強さがうかがえる。