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記事番号:T00078628
2018年8月10日16:03

 国家発展委員会(国発会)は9日、下半期の経済成長について、米中貿易戦争などで減速するものの、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ半導体大手の設備投資や、海外ハイテク大手の研究開発(R&D)センター設置など、内需が期待できるとの見方を示した。半導体業界の今年の設備投資は3,796億台湾元(約1兆3,700億円)を見込む。通年の経済成長も、慎重ながらも悲観していないとした。10日付工商時報などが報じた。

/date/2018/08/10/00top_2.jpg鄭副主任委員(左4)は、米中貿易戦争は不確定要素だが、米国が中国への半導体技術移転を制限すれば、台湾にとって有利となると述べた(9日=中央社)

 国発会が9日行政院に提出した「2018年経済情勢の回顧と展望」報告によると、半導体メーカーの今年の設備投資規模は、ファウンドリー最大手のTSMCが100億~105億米ドル(7ナノメートル製造プロセスなど)、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手の日月光投資控股(ASE・テクノロジー・ホールディング)が150億元(高雄K25工場など)、京元電子(KYEC)が65億元(新竹科学工業園区銅鑼園区第3工場など)、メモリー大手の華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)が192億元(南部科学工業園区12インチウエハー工場など)、DRAM最大手の南亜科技が239億元(20ナノプロセスなど)などで、合計3,796億元に上る。

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 国発会の鄭貞茂副主任委員は、7月の輸入総額は前年比20.5%増え、うち機器・設備は17%増だったと指摘。域内投資の回復、加速がうかがえ、下半期の経済成長を牽引(けんいん)すると述べた。

EVなどクリーンエネも貢献

 また国発会は、▽アジア・シリコンバレー▽スマートマシン▽グリーンエネルギー▽バイオ・医薬▽国防▽新農業▽循環型経済──から成る重点産業振興政策「5プラス2創新産業計画」に関連し、▽グーグル▽マイクロソフト(MS)▽アマゾン・ドット・コム▽シスコシステムズ▽ヤフー親会社のオース──など海外大手企業のR&Dセンター設置計画を挙げた。また、バイオテクノロジー産業や、洋上風力発電、電気自動車(EV)、電動バイクなどのグリーンエネルギー産業でも大型投資が予定されていると指摘した。

 このほか下半期は、5,000万元以上の公共建設計画が2,030億元、大型インフラ整備計画「前瞻基礎建設計画」が747億7,000万元予定されていると説明した。

台湾メーカーに転注も

 一方、半導体産業に対しては、米国の対中制裁関税措置の第2弾リストに含まれたことで懸念の声も浮上しているが、沈栄津経済部長は9日、台湾の半導体産業は製造、封止・検査いずれも世界有数の競争力を誇り、他社からの転注さえ期待できるとの見方を示した。

 中国投資を行っているTSMC、聯華電子(UMC)などへの影響について沈経済部長は、中国の昨年の半導体生産額は7億米ドルで、台湾の半導体産業生産額2兆4,600億元と比べれば、0.9%にすぎないと指摘した。ただ、インテルやサムスン電子、SKハイニックスの中国への発注意欲には影響するかもしれないとの見方を示した。

 米国の第2弾対中制裁措置は、今月23日より半導体や化学品など中国製品279品目に25%の追加関税を課すもので、160億米ドル規模とされる。

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