ニュース 社会 作成日:2018年8月10日_記事番号:T00078646
航空業界で最近、中国政府が各国の航空会社に台湾の表記を「中国台湾」に改めるよう圧力をかけたニュースが話題となったが、新北市のホテルでこのほど、館内で台湾表記を「中華民国」ではなく「中国台湾」を使用していることが判明。同ホテルのフェイスブック(FB)ページに批判のコメントが殺到し、釈明を迫られる事態となった。
フォーポイントバイシェラトン林口。まだプレオープン段階とのことだが、確実に宿泊客の不興を買うことを予想できなかったのだろうか(9日=中央社)
仕事の関係で新北市林口区に長期滞在しているという台湾人男性が8日夜、同区にある国際ホテルチェーン、スターウッド・ホテル&リゾート傘下の亜昕福朋喜来登酒店林口(フォーポイントバイシェラトン林口)にチェックインしようとしたところ、受付の係員から差し出されたタブレット端末の宿泊者の国籍と使用言語を選択する画面に、本来なら「中華民国」となるはずのところに「中国台湾」と表示され、しかも国旗画像には中華民国の「青天白日満地紅旗」ではなく、赤字に黄色い5つの星が配置された中国の「五星紅旗」が添付されていた。
さらにこの男性が館内のWi-Fiネットワークに接続しようとしたところ、ここでも「国と言語」の選択画面で「中国台湾」と中国の国旗が現れた。さらにホテル内を見回してみると、館内表示の多くに中国で使用される「簡体字」が用いられていることに気付いた。
「自分の国のホテルに泊まっているのになぜ、中国人のように扱われるのか」と不満に思った男性は、この事実をFBの暴露コミュニティー「爆廃公社」に投稿。するとこれを見たネットユーザーがホテルの公式FBページに殺到し、「貴館は租界なのか」「台湾人に対する侮辱だ」「この土地から出て行け」などと非難するコメントが相次いだ。
これを受けてホテル側は「当ホテルはスターウッドグループが直接、運営を管理しており、サービス、設備、宣伝用の配布物を含め、ブランドの規範に従う必要があり、勝手に変更することができない」と説明。その上で「既に関連部門に対し、ネット上での反応を報告し、提案を行っており、結論が出次第、消費者にお知らせする」と強調した。
しかし、ネット上の「炎上」は収まる気配がなく、FBにおける同ホテルの評価は一時、5点満点の1.8点まで急降下した。また騒動を受けて新北市観光局も「観光発展条例を基に、国家を侮辱したりその利益を損なった場合、3万台湾元(約10万8,000円)以上、15万元以下の罰金を科すことができる」と指摘。今後調査を進め、必要に応じて処分を下すとコメントした。
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