ニュース 社会 作成日:2018年8月14日_記事番号:T00078693
衛生福利部(衛福部)の統計によると、介護施設では過去6年間に5件の夜間・未明の火災があり、計36人が死亡している。介護施設はいったん火災が起きれば逃げ遅れが生じるリスクが高く、改めて防火対策の強化が課題となりそうだ。14日付蘋果日報などが伝えた。
衛福部の薛次長(左2)は被害の発生を謝罪するとともに、新北市消防局の対応を高く評価した(13日=中央社)
13日、新北市新荘区にある衛生福利部立台北医院内の介護施設で9人が死亡した火災をめぐっては、エアマットレスから発火したという目撃情報がある中、出火原因の特定が待たれる状況だ。
出火原因をめぐっては、外国人の介護職員が「目覚めると、エアマットレスが燃えているのが見えた」と証言している。しかし、エアマットレスの消費電力は10ワットと低く、関連業界からは「出火例を聞いたことはない」との指摘もあり、原因特定には至っていない。
安全評価直後の火災
衛生福利部立台北医院は7月17日に安全評価を受けたばかりだったが、わずか1カ月以内に死者を出す大規模火災が発生した格好だ。また、安全評価基準も見直されたばかりだった。
衛福部の蔡淑鳳介護局長は「介護施設の入所者は人工呼吸器を使用している高齢者が多く、いったん火災が起きれば、自力で逃げることができず。職員の助けを必要とする。過去の介護施設の安全評価は書類上のもので、火災状況を想定した訓練は要求しなかったため、警報ベルの場所さえ分からない人がいた。今年導入した新たな評価基準では、書類審査のほか、火災状況を想定した訓練を導入し、特に夜間の緊急対応を想定した訓練も設けた」と説明した。
新基準で安全評価を受けた台北医院の介護施設で火災が起きたことで、新基準にも問題があるのではないかとの声が挙がっている。衛福部の薛瑞元常務次長(次官)は「評価制度は介護施設の防火能力が規定を満たすよう求めるものだが、評価に合格したからといって、事故が起きないとは限らない。また、想定外の事故で死傷者が出ることもある。実際の火災は平時の訓練とは心理的にも異なる」と指摘した。
今回の火災で死傷者が多かった原因として、介護施設が7階にあったこととの関連性を指摘する声について、蔡局長は「介護施設を地下に設けてはならない以外、階数に関する法律規定はない」との認識を示した。
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