ニュース 社会 作成日:2018年8月16日_記事番号:T00078747
百貨店やショッピングモールが立ち並び有数の繁華街となっている台北市信義区には、超豪華なマンションが林立する高級住宅地もある。しかし、こうしたマンションの一つ「瓏山林世貿博物館」は7年前に完成しながら、住人が誰もおらず、周辺住民から「豪華な家で蚊を飼っている」と揶揄(やゆ)する声も上がっている。
瓏山林世貿博物館は、台北101ビルや台北世界貿易センター1号館からほど近い信義区松勤街16、18号に位置する地上14階、地下5階の高層マンション。総戸数は27戸、各戸の広さは約108坪。2011年に使用許可を取得しており、12年には、台湾で過去最高水準の1坪310万~320万台湾元(約1,110万~1,150万円)の高値が付き、販売総額は80億元を超えるとの声も上がった。
しかし完成から既に7年が経過しているにもかかわらず、同マンションには全く人が住んでいないとのうわさを聞きつけ、このほど蘋果日報の記者が現地を訪れてみると、入り口の鉄の扉には鍵がかけられ、玄関にはカーテンが掛かったままとなっていた。
夜になるとマンション周辺に設置されたライトが点灯し、まさに博物館のような外観を浮かび上がらせるが、住居部分には全く明かりがついておらず、人が住んでいる気配がなかった。
周辺の商店関係者は、「最初は高級住宅を買う人というのは目立たないようにするものか」と考えていたが、何年立ってもマンションに出入りする人を見かけず、警備員さえいないと指摘。「蚊を買うための豪邸じゃないだろうな」と笑った。
周辺エリアの情報に詳しい不動産仲介業者によると、同マンションを保有する瓏山林企業は当初、1坪300万元で販売すると表明したもの、正式には一般販売は行っていない。このため業界では、創業者の故・林栄三氏の指示により全棟を一括して売却する方針に転換した、林一族が将来、自宅として使用するなど臆測が飛び交っている。
なお不動産鑑定士によると、同マンションの保有にかかる房屋税(建物固定資産税)は年間800万元近くに上り、さらにこのまま空室状況が続けば5年後には1,000万元を超えると予想される。瓏山林企業は資金力が豊富とされるが、これほどの高級マンションに何年も人が住んでいないというのはなんとももったいない話だ。
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