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旧陸軍総司令官邸、文化も味わえるレストランに


ニュース 社会 作成日:2018年8月17日_記事番号:T00078772

旧陸軍総司令官邸、文化も味わえるレストランに

 かつて日本統治時代に建設され、戦後は陸軍総司令官邸として使用されていた台北市中正区の市定古跡「陸軍聯誼庁」の管理・運営が昨年民営化され、内部にレストランがオープン。緑に囲まれた日当たりの良い歴史的建築物の中で、おいしい料理を食べられるとあって人気を呼んでいる。

 「陸軍聯誼庁」はもともと、日本時代の1909年(明治42年)に台湾総督府土木局水道課長の官舎として建設された。和洋折衷式の建物で、台湾総督府(現在の総統府)や台北州庁(監察院)、台中州庁(台中市政府庁舎)など台湾の多くの官庁建築を手掛けたことで知られる森山松之助氏が設計した。

 戦後は、日中戦争で華々しい戦果を挙げ、台湾へ移った後に陸軍総司令の地位に上り詰めた孫立人将軍の住居として使用され、孫氏が失脚した55年以降は陸軍の軍官クラブとなり、93年に親睦施設「聯誼庁」となった。

 さらに16年に全面的な改修工事が実施された後、昨年、運営が民営化され、食事や音楽やアートなどの文化イベントが楽しめる施設「孫立人将軍官邸」に生まれ変わった。

 レストランは周囲をガラス窓に囲まれ、ふんだんに日光が取り込める設計となっている上、周囲には豊富に樹木が植えられ、明るく緑豊かな雰囲気の中で食事ができる。提供されるのは江浙料理、台湾料理が中心で、料理長は過去40年にわたり、陸軍総司令の専属コックを務めた夏少清氏だ。

 なお同施設ではきのう(16日)より、台湾の歴史的建築物を題材とする作品で知られ、今年2月に死去した画家、游志忠氏の作品展が開催されている(10月15日まで)。レトロな雰囲気の中でおいしい料理に舌鼓を打った後は、美しい絵画で目を養ってみてはいかがだろうか。