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台湾との「偶発事態」に準備、中国に警戒=米国防報告書


ニュース 政治 作成日:2018年8月20日_記事番号:T00078797

台湾との「偶発事態」に準備、中国に警戒=米国防報告書

 米国防総省は16日、中国の軍事力に関する年次報告書(2018年版)を発表した。中国が台湾に関して武力統一の可能性を排除したことはなく、近年は台湾との偶発事態に向けて演習の改善と新たな軍事能力の獲得を継続していると指摘。米軍を含む第三者の介入を遅らせ、対抗する手段の開発に注力しており、さらに、交通封鎖や、台湾島内の政治・経済をまひさせること、金門・馬祖の奪取によって台湾の民心を瓦解(がかい)させることを含む、集中的なスピード決戦を想定していると警戒を表明した。18日付自由時報などが報じた。

 報告書はまた、中国が数十年にわたって軍の現代化を進めた結果、台湾は地理的、および科学技術における優位性が減退したため、非対称戦争の準備を推進していると指摘した。空軍、海軍への依存度をさらに高めるとともに、海岸と沿海部の防衛にために情報・電子の対抗装備、高速ステルス船艦、ドローンなどの装備の拡充に努めていると説明した。

 報告書はこのほか、昨年度の中国の国防予算は1,900億米ドル以上で、28年までに年2,400億米ドル以上に膨らむと予想。空軍は爆撃機の海上作戦エリアを急速に拡大しており、米国とその同盟国を攻撃目標として演習を行っている可能性が極めて高く、さらに10年以内に核兵器搭載能力を持った長距離ステルス爆撃機を配備すると警鐘を鳴らした。

 米国防総省報告書に対し、中国外交部の陸慷報道官は、米国は事実を無視して中国の領土主権と安全、利益を守る正当な行為を批判しており、中国は強く反対の意思を表明すると反論した。中国は平和的発展の道を堅持、防御的国防政策を実行しており、世界平和の建設者であると主張した。

 一方、台湾総統府は17日、「国軍は中国の軍事動態を厳密かつ即時に把握している。北京当局に改めて得難い両岸(中台)と地域の平和的安定を重視するよう呼び掛ける」と表明した。