ニュース
社会
作成日:2008年6月4日_記事番号:T00007885
法務部が死刑廃止を検討、禁固30年で代替案
法務部からの委託を受け、死刑制度の廃止と代替措置について研究を行っていた中央研究院はレポートを発表し、仮釈放までの最短期間を30年として死刑に代える「特殊な無期懲役刑」を採用することを提案した。なお中央研究院の結論は、終身刑による代替は「受刑者が自暴自棄になり、管理指導が困難」という理由で反対している。4日付中国時報が報じた。
同レポートは、死刑制度廃止は世界的な潮流であり、台湾の司法イメージを高める上で最も重要な政策であるとしている。ただ調査によると、死刑制度には台湾人の76%が反対しているが、「廃止には補完措置が必要」と考える人の割合が前回調査の9%から25%に増加しており、長期禁固刑による代替措置があれば、死刑廃止を受け入れるという世論となっていることが表れた。
また、死刑廃止に伴う治安悪化の懸念についてレポートでは、1991年に死刑を廃止した香港では強姦、殺人といった重大犯罪が減っていることを例に挙げ、治安への影響はないとしている。
レポートを読んだ王清峰法務部長は、死刑廃止は自身の長年の信念であるとしながらも、「実現には社会的同意が必要で、かつ法務部だけの問題にはとどまらない」と慎重に検討する姿勢を見せた。