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100年の「開かずの金庫」、日本の達人も解錠成功ならず


ニュース 社会 作成日:2018年8月22日_記事番号:T00078853

100年の「開かずの金庫」、日本の達人も解錠成功ならず

 宜蘭県冬山郷の郷役場には、日本時代から残る金庫が存在する。しかし、ダイヤルにはサビが浮き、鍵も紛失しているため、もうかれこれ50年は開けられていないという。これまで同郷では解錠挑戦者を募集したものの成功しておらず、「開かずの金庫」のうわさを聞きつけた日本のテレビ局が、達人を伴って来台したが、2日間半の挑戦もむなしく失敗に終わった。

 冬山郷役場の金庫は、日本統治時代の1921年に同役場の前身、冬山庄役場の財産として登録されていること、および表面に「明石製」の文字が見えることから約100年前に日本で作られた後、台湾へ持ち込まれたものとみられる。

 高さ90センチメートル、幅・奥行きが55センチ、300キログラムの重量があり、解錠のためのダイヤルにはアラビア数字ではなくカタカナが使用されている。長年、他の倉庫に埋もれていたが、4年前、役場が移転する際に発見。既にロックを解除するためのパスワードを知る職員もおらず、鍵も行方知れずとなっており、固く閉じたままの状態が続いていた。

 そこで冬山郷役場は昨年初め、賞金5,000台湾元(約1万8,000円)で「金庫破り」の挑戦者を募集。その後、賞金を1万元に引き上げたが成功者は現れなかった。そしてこのほど、インターネットを通じてのうわさを聞きつけた日本のテレビ局から、「開けられない鍵はない」と称される日本人の鍵開け達人に挑戦させ、その様子を撮影したいとの依頼が舞い込んだ。

 この日本人の達人は事前に嘉義市と新北市で同様に日本時代から残された「開かずの金庫」の解錠に成功。今月16日に冬山郷の金庫に取り掛かった。しかし2日間努力を続けたものの金庫を開けることはできなかった。サビがダイヤルにまで及び、音が聞き分けられないためだという。

 あきらめきれない達人は帰国日の21日午前に再チャレンジした際、謝燦輝郷長に対し1センチほどの穴を開けてもよいかと申し入れたが、郷長は中に重要な文書が収められている可能性があるほか、台湾にもまだ挑戦したい者がいると考えてこれを拒否。結局、達人は金庫を開けることができず、「また来る」との言葉を残して帰路についた。

 依然、固く扉を閉ざした金庫を前に謝郷長は、賞金を1万5,000元に引き上げると表明。金庫を破壊せずに開けられる者は挑戦してほしいと呼び掛けた。

 といったニュースがきょう一斉に流れたところ、この道38年のベテラン、台北市の金庫センターの男性(68)が現場に駆け付け、40分間余りで金庫を開けることに成功。中からは権利証や証券などの古い書類が出てきたそうだ。

/date/2018/08/22/20kakomi_2.jpg金庫を開けた男性(左)と謝郷長(右)(22日=中央社)