ニュース その他製造 作成日:2018年8月23日_記事番号:T00078854
太陽電池メーカー大手3社の合併で10月1日に発足する聯合再生能源(ユナイテッド・リニューアブル・エナジー、URE)について、同社董事長となる新日光能源科技(ネオソーラーパワー、NSP)の洪伝献董事長は22日、太陽電池の生産能力は徐々に縮小させ、太陽電池モジュールや太陽光発電所に重点を置くと方針を表明した。太陽電池の供給過剰が深刻化し、価格下落が続く中、こうした転換を図ることで、早ければ来年末の単月損益均衡、2020年の黒字化を目指す。23日付工商時報などが報じた。
聯合再生は、太陽電池最大手のネオソーラー、および昇陽光電科技(ソーラーテック・エナジー)、昱晶能源(ジンテック・エナジー)が合併して発足する。洪董事長は、赤字が続いているが、当初はモジュールや太陽光発電所の業務を拡大することで、太陽電池の損失を補塡(ほてん)したいと述べた。
洪董事長によると、来年の販売目標は4ギガワット(GW)で、うち2.6GWが太陽電池単体、1.4GWはモジュールとする。モジュールの生産能力は現在、合計約1.1GWだ。聯合再生執行長となる潘文輝ジンテック総経理はモジュールについて、自社ブランドを推進し、両面発電、両面ガラスや、耐塩害や耐台風性能など技術面も強化すると説明した。
洪董事長は、太陽電池の3社合計の生産能力は現在5GWだが、将来的に3GWまで削減すると述べた。潘総経理は、発電量290ワット(W)の太陽電池の製造が可能で、業界の標準270~275Wを上回ると説明。高効率PERC(裏面不動態型セル)は世界水準に達しており、ヘテロ接合型(HIT)太陽電池も進めると、高品質化に自信をみせた。また、台湾の太陽電池メーカーは従来、中国メーカーの受託生産を主に行っていたが、3社は既に中国からの受注を20~25%まで引き下げたと説明し、中国市場の動向に左右されるリスクを軽減したことをアピールした。
3社の第2四半期連結売上高は合計60億5,200万台湾元(約218億円)と前期比1.2%減少、純損失は9億6,700万元と赤字が続いているが、前期より約30%縮小している。
ギガソーラー計画
太陽光発電所については、3社は現在、▽台湾▽日本▽米国▽欧州▽中南米▽アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ──にあり、発電容量は500メガワット(MW)を超える。台湾メーカーで最大規模だ。
沈維釣ネオソーラー総経理は、今後1GW規模の開発を計画していると明かした。1GWで資金15億米ドルが必要とされる。聯合再生は資金調達のため、大型ファンドや生命保険会社と交渉する他、年末にイールドコ(YieldCo、再生可能エネルギーの長期売電収入が収益の源泉の投資商品)を設立する予定だ。
蓄電池・水素バイク参入
潘総経理は、エネルギー貯蔵や水素燃料バイクにも参入すると語った。エネルギー貯蔵では、シリコン・カーボン複合負極材の蓄電池の共同開発に向け、中国の浙江超威動力能源と交渉中だという。水素バイクについては、台南市の沙崙智慧緑能科学城(沙崙スマート・グリーンエネルギー・サイエンスシティー)で2年で水素バイク1万台を生産する政府の計画に、ジンテック傘下の昱成光能(ユーテック・ソーラー)が協力すると話した。
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