ニュース 社会 作成日:2018年8月24日_記事番号:T00078882
南シナ海で発生した熱帯低気圧が23日、南部に台風並みの被害をもたらした。高雄市では建設中のマンションの足場が強風で崩落、バイクの男女3人が直撃を受けて死亡した。高雄港では船舶6隻が座礁した。また、多くの地域が冠水し、住宅や車が水に漬かる被害に見舞われた。きょう24日は台中市、台南市、高雄市を含む8県市が公共機関や学校を休みとする「停班停課」の措置を取っている。24日付自由時報などが報じた。
3人が犠牲になった高雄市の現場では、大量の鉄骨部材が道路に散乱していた(23日=中央社)
高雄市三民区では午後3時ごろ、建国三路と自立路の交差点で栄欣建設が建設を手掛ける15階建てマンションの12階の足場が崩落、大量の鉄骨部材が通行中のバイク2台を直撃した。これにより、34歳の男性と後部座席の63歳の母、別のバイクの45歳の女性が直撃を受けて死亡した。警察は工事現場の責任者と、足場を組んだ下請け会社の責任者を業務上過失致死容疑で送検した。
高雄港では最大で毎秒20.8~24.4メートルの風が吹き、「太倉湖」「安利669」などフェリー6隻が座礁。海洋委員会海巡署や内政部空中勤務総隊がヘリコプターや救助船舶を出動させ、船員66人を救助した。
台南市仁徳区では中華医事科技大学のキャンパスが成人の腰の高さまで冠水したため、付属幼稚園の園児71人が消防局のゴムボートで救出された。水の高さが最高で50センチメートルに達した永康大学でも、幼稚園2カ所で園児55人が同様に救出された。
予想上回る雨量
今回の熱帯低気圧は22日午前に南シナ海の海上で発生し、23日に屏東県に上陸した。高雄市政府水利局は、予報では23日午前8時から午後2時までの6時間雨量は最高で130ミリとされていたのに、実際は小港区で午前10時から11時までの1時間に300ミリ近い降雨があったとして中央気象局を批判した。また、事前の警戒予報が不足していたことを災害対応が遅れた原因としてやり玉に挙げた。
これに対し、中央気象局の鄭明典副局長は「一部の地域での集中豪雨は、予測能力を超えていた」と釈明。台風でなかったため一級中央災害応変中心も設置せず、地方政府との連携できなかったとして、今後の検討課題に挙げた。高雄市では通勤通学時間に既に強烈な風雨に見舞われていたものの、停班停課が決められたのは午後4時を過ぎてからだった。
嘉義県は広い範囲で冠水し、故宮博物院南院も24日は休館を決めた(24日=中央社)
なお、きょう24日は▽台中市▽彰化県▽雲林県▽南投県▽嘉義市▽嘉義県▽台南市▽高雄市──の8県市が停班停課の措置を取った。
動向の把握困難
民間の気象情報会社、天気風険管理開発(ウェザーリスク・エクスプロア)の彭啓明総経理は今回の被害について、熱帯低気圧は台風のように2~3日前から動向を把握することが困難で、住民は準備の時間を持てないため災害が起きやすいと指摘した。
大雨がもたらされた原因としては、熱帯低気圧に西南からの湿った空気が大量に流れ込んだことを挙げた。
中央気象局は、昨晩、雲林・嘉義一帯にあった熱帯低気圧は、中央山脈の西側を北上して台湾海峡に抜けるとみられ、きょうは局地的な豪雨に警戒する必要があるとしている。また、あす25日には雨の勢いは衰えるが、中南部では依然にわか雨や雷、一部の地域で豪雨に見舞われる可能性もあると予測した。中南部の平地と山地であす午前までの48時間の予想降雨量は500~800ミリだ。
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