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英語公用語化、「来年に着手」=頼行政院長


ニュース 政治 作成日:2018年8月27日_記事番号:T00078908

英語公用語化、「来年に着手」=頼行政院長

 頼清徳行政院長は就任1周年を前に経済日報の単独インタビューに応じ、英語を中国語と並ぶ公用語とする政策を来年に着手したいと表明した。台湾の国際的競争力と国際社会での存在感向上が狙いだ。27日付経済日報が報じた。

/date/2018/08/27/00top_2.jpgCPTPP参加について頼行政院長は一方で、中国の圧力によって困難との見方も示している。中台関係については、中国は北風ではなく太陽として振る舞うべきとの考えを示した(中央社)

 既に教育部に英語公用語化の推進委員会発足を指示しており、目標、スケジュール、方法などについて検討を行う。具体計画として小学校からの英語教育開始を視野に入れている。

 英語普及については、中華民国全国工業総会(工総、CNFI)が今年度の白書で「台湾の国際化に向けて英語化運動を推進すべき」と提言していた。頼行政院長は「英語は国際言語であり、公用語にすれば台湾の国際競争力はさらに高まる」と全面的な賛意を示している。台南市長時代に英語の第2公用語化に取り組んだ実績があり、非常に賛同を得ていたとも説明した。

 教育部総合規画司の黄雯玲司長は、英語推進委員会は業界や政府機関の代表者、専門家、学者ら約20人から成る諮問委員会の性格を持つ組織で、台湾内外や地方、企業による推進実績の情報を集めて評価を下していると説明した。現時点では評価と意見収集を行っている段階で、最大の課題は法的根拠の欠如であり、実現に向けて民意を固める必要があると指摘した。

経済発展に引き続き注力

 2年目以降の施政の重点について頼行政院長は「経済発展が依然、政府の最重要目標だ」と強調した。輸出と内需が補完効果を持つことが必要で、内需は「5本の矢」として▽金融発展アクションプランの実行▽中央政府の総予算額を来年初めて2兆台湾元(約7兆2,300億円)に拡大し、公共建設支出を拡張▽都市再開発の執行徹底▽エネルギーの転換▽長期介護整備計画「長期介護2.0」──の5項目に取り組むと表明した。

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 同時に、輸出拡大のための「三大攻略」として、▽投資環境の改善を図り投資を奨励▽関税問題による影響を低減すべく「包括的および先進的TPP協定(CPTPP、TPP11)」加盟に全力を傾ける▽為替レートの安定維持──を挙げた。

 頼行政院長は、仏マクロン大統領が昨年就任した際、経済発展の推進手法に注目したと明かした。そして、マクロン大統領の「3本の矢」は投資の奨励、行政効率の向上、規制緩和と柔軟性であるため、台湾も投資奨励と行政効率の向上に取り組むとの考えを示した。

 また、トランプ米政権が減税を政策の柱とし、安倍晋三首相が投資奨励、労働参加率の向上、金融緩和政策を採っていることを紹介しつつ、「台湾の現在の経済政策は米、日、仏、さらに他の国々と同じ方向だ。違いは徹底的にやるか否かだ」と述べ、政策推進に力を入れる考えを表明した。

米中貿易戦争、第3波で影響

 頼行政院長はこの他、米中貿易戦争について、米国が現在、第1波、第2波と合わせて500億米ドルの中国製品に25%の関税を課した現時点ではまだ台湾への影響は少ないものの、第3波で2,000億米ドルの製品が対象になった場合、台湾とその他の国は影響を受けると指摘した。

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