ニュース 社会 作成日:2018年8月27日_記事番号:T00078932
今月23日、熱帯低気圧による豪雨に見舞われた嘉義県東石郷では、全世帯が浸水する深刻な被害を受けた。中でも24日に葬儀を予定していたある一家では、冠水した道路の水が引かず、出棺できず困り果てていたところ、嘉義県水上救生協会(ライフセービング協会、水協)のメンバー4人が4キロメートルの道のりを徒歩で現場に駆け付け、台車を押して、棺桶を再び4キロ離れた葬儀社まで何とか運ぶことができた。
東石郷は水が引くのが遅く、きのう26日も多くの地域が冠水したままだった(26日=中央社)
24日に葬儀を予定していた一家では、取りあえず告別式を延期し、水が引いた後に遺体を葬儀会社に届け、埋葬しようと考えていた。しかし、25日になっても道路の水は引かず、一方で晴天となり気温が上昇したことで、このまま遺体を放置しておくことに不安が高まった。
そのため遺族は葬儀社に依頼し、トラックなどで棺を運び出してくれる業者を探したが、3時間探しても協力者がみつからなかった。東石郷公所(役場)からも「支援物資の配布や救助活動で忙しい」との理由で支援を断られた。
そんな中、困っている人がいるという情報を聞きつけた県水協の呂文正理事長はすぐに支援を決意。他のメンバー3人とともにこの家族の元へ歩いてたどり付き、死者に線香を上げた後、家族と話し合った結果、棺を防水シートでくるんで車輪付きの台車に乗せ、冠水した道路を手で押して葬儀社まで運ぶこととなった。
当時もまだ、道路は深いところで腰の高さまで冠水しており、4キロもの道のりを棺を乗せた台車を押していくのは困難を極めたが、なんとか送り届けることに成功した。「道中、何とか死者が安心して天国へ行けるように祈り続けた」と語る呂理事長は、とても困難だったが有意義な任務となったと胸を張った。
ただ、冠水が続いているため遺族は身動きが取れず、死者の妻さえライフセーバーたちによる「最後の旅」には付き添えなかったそうで、呂理事長も「それが一番の心残りだ」と残念がった。
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