ニュース 社会 作成日:2018年8月28日_記事番号:T00078955
台北富邦商業銀行で5年ほど前、企業から1,000万台湾元(約3,600万円)の送金依頼を受けたが、これに対応した行員が必要書類に「0」を1つ多く書き込むミスを犯し、さらに女性の上司が確認の際にこれを見落としたことから、1億元が誤って送金されるトラブルが起きた。女性上司はこの件で評価が落ち、ボーナスがもらえなかった。彼女はこれを「侮辱された」と感じ、ボーナス支給と慰謝料を求めて銀行を訴えたものの、敗訴に終わった。
この女性上司は2013年から台北市南港区の支店で副理として勤務していた。ある日、企業から1,000万元の送金依頼を受けた部下の行員が「500万元」の送金書類2枚を作成した際、誤って2枚とも「5,000万元」と書き込んでしまった。しかし、その後の照合作業で女性上司はこれに気付かず、そのまま1億元がある法人顧客に送金されてしまった。
この顧客は翌日、余分に受け取った9,000万元を返金したため、実質的な損害は生じなかったものの、事態を重くみた銀行はこの上司に懲戒処分を下し、彼女は成績不良となり春節ボーナス(年終奨金)の50万元を受け取ることができなかった。
この女性上司は、銀行にはいかなる損失も与えておらず、軽微なミスであり、銀行側の対応は「侮辱したもの」と主張。懲戒処分の取り消しとボーナス50万元の賠償、および慰謝料50万元を求めて裁判所に提訴した。
しかし銀行側は、照合作業を確実に行わず、9,000万元もの差額を見逃したことは重大なミスであり、行内の規定に基づいて処分を下したことは正当で、侮辱には当たらないと主張した。
一審判決は、原告の「軽微なミス」という主張は認められないとして銀行側勝訴となった。あきらめきれない女性上司は控訴したものの、二審もこのほど「原告は管理職であり、かつ金額の識別は銀行員が基本に備えるべき能力」と指摘し、過失の程度は重大だとして再び敗訴。ここまでくれば、今後「0」を見落とすことはないだろう。
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