ニュース 電子 作成日:2018年8月29日_記事番号:T00078957
ファウンドリー世界2位、米グローバルファウンドリーズ(GF)は28日、7ナノメートル立体構造トランジスタ(FinFET)プロセスの開発を無期限延期すると発表した。業界では、先進プロセス競争のライバルが減り、サムスン電子に量産で先行している台湾積体電路製造(TSMC)が7ナノ受注を総なめ、5ナノ、3ナノプロセスでも圧倒的優位を保つとみられている。29日付経済日報などが報じた。
GFにとって長年の顧客のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はこのほど、7ナノのサーバー・プロセッサー「Rome」、グラフィックスプロセッサー(GPU)「Vega」をTSMCに生産委託すると明らかにした。引き続き、7ナノの「Zen2」、GPU「Navi」など全ての製品を、TSMCに生産委託する見通しだ。
GFは、7ナノプロセスの研究開発(R&D)や製造設備に巨額の資金を投じても、TSMCに性能が及ばず、顧客を奪われるのなら、投資回収が困難と判断したようだ。設備業者によると、7ナノ研究開発には30億米ドルかかり、月産能力3万枚以上の工場建設を合わせれば、総額100億米ドルを超える。
TSMCは7ナノプロセスで、アップルのプロセッサーを量産中で、▽エヌビディア▽クアルコム▽ザイリンクス▽聯発科技(メディアテック)▽華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)傘下の深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)──からも受注または受注予定だ。
さらにTSMCは、来年量産予定の極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術を導入した7ナノプラス(強化版)、2020年量産予定の5ナノでも大部分を受注する見込みだ。
UMCに打撃か
GFは、ファウンドリー業務以外をスピンオフ(分離・独立)し、新会社がASIC(特定用途向けIC)業務と、7ナノ以降の先進プロセス向けシリコンIP(知的財産権)提供を担うと説明した。TSMC傘下の創意電子(グローバル・ユニチップ、GUC)、聯華電子(UMC)傘下の智原科技(ファラデー・テクノロジー)の競合になる。
また、先進プロセス競争から離脱したGFは、今後、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、車載用など、14/12ナノFinFETプロセスに注力する。UMCも、先進プロセス開発を行わず、14ナノなど成熟プロセスに注力しており、GFに受注を奪われる恐れがある。
市場調査会社の調査によると、今年上半期のファウンドリー世界市場は、TSMCがシェア56%、GFがシェア9%で2位、UMCが8.9%で3位だった。
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