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屏東・高雄で雨量400ミリ、停班停課判断に抗議殺到


ニュース 社会 作成日:2018年8月29日_記事番号:T00078979

屏東・高雄で雨量400ミリ、停班停課判断に抗議殺到

 前線に南西からの湿った空気が流れ込んだことでもたらされた南部の豪雨で、屏東県新園郷と高雄市鳳山区では28日の降雨量が400ミリを超えた。高屏渓と東港渓に挟まれ、台湾海峡に面した低地の新園郷は至る所で冠水し、住宅が浸水被害に遭った住民からは「88水災でもここまでひどくはなかった」と、死者・行方不明者約700人と史上最大の被害をもたらした2009年の台風8号(アジア名・モーラコット)のときよりも深刻な洪水に見舞われたとの声が上がった。29日付自由時報などが報じた。

/date/2018/08/29/18flood_2.jpg屏東県新園郷の道路は、豪雨によってまるで河川のようになった(28日=中央社)

 高雄市でも100カ所以上で冠水被害が起き、道路交通が混乱に見舞われた。場所によっては水位が1メートル以上に達した。旗津区、岡山区、鳳山区、鼓山区では家屋の損壊被害によって、避難を迫られたり、救出される住民が出た。

 屏東県は27日に台湾全土で唯一、公共機関と学校を休みにする「停班停課」の措置を取ったが降雨は山地にもたらされた。一方、通常体制とした28日は豪雨が都市部に集中。判断の悪さに潘孟安県長のフェイスブック(FB)が批判の投稿で埋まった。

 高雄市は28日、24日に続く全域での「停班停課」を決めたが、発表が午前6時12分だったことに対して「もっと早く発表すべきだった」と多くの非難が出た。

 中央気象局は、28日の高雄・屏東の豪雨は、南西からの湿った空気内の中小規模の対流活動によるもので、周期が短く移動速度が速いため予測は困難だったと指摘した。

 また中央気象局は、今後の天気の見通しについては、きょう29日は東南部と離島で雨や雷雨となる他、局地的な大雨や豪雨に警戒する必要があり、あす30日はところによりにわか雨や雷雨となり、局地的な大雨となる可能性があるとした。

多額の治水費用が無駄に

 23日以降の中南部の水害では、中央政府は陳水扁元総統時代から合計で4,300億台湾元(約1兆5,500億円)もの予算を治水対策に投じてきたにもかかわらず、一向に成果が出ないとの批判が相次いでいる。

 これについて馬英九前政権で内政部長を務めた李鴻源氏は、「工事信仰が強過ぎ、資金が全て工事に使われてきたことが問題だ。都市計画の観点から問題を解決しようという発想がない」と指摘した。また、時の政権による支持者固めの目的の下、資金が往々にして地方の有力者に渡り、他の用途に使われていることも問題点として挙げた。