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ハイウィン、医療用ロボット強化


ニュース 機械 作成日:2018年8月30日_記事番号:T00078992

ハイウィン、医療用ロボット強化

 工作機械部品と産業用ロボット大手、上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)の卓永財董事長は29日、医療用ロボットは強い成長が見込めるとして、3年後に医療用ロボットの新会社を設立する計画を明かした。同社はこれまで、手術用、リハビリテーション用など医療補助ロボットの研究開発(R&D)を進めており、医療用ロボット分野で世界大手を目指す。30日付経済日報などが報じた。

/date/2018/08/30/00cai_2.jpg蔡英文総統(中)は29日TAIROS開幕式典で、台湾のスマート機械産業は将来、工場や生産ラインごと海外に輸出できると、期待を示した(29日=中央社)

 卓董事長は、同日から9月1日まで台北南港展覧館で開催されている国際ロボット展、台湾機器人智慧自動化展(台湾オートメーション・インテリジェンス&ロボット・ショー、TAIROS)の場で、計画を明らかにした。同社は、11月29日~12月2日に台北南港展覧館で開催される「台湾医療科技展(ヘルスケア・エキスポ・台湾)」で、医療関連製品を出展する予定だ。

 同社は、腹腔(ふくくう)鏡手術用ロボットでは、既に中国で認証を取得済み、韓国での認証取得を目指している。口腔(こうくう)がん治療用ロボットは、台湾での認証取得を進めている。ロボットによる補助で、医療の質が高まる他、医師として60歳以上まで働けるようになるという。

 また同社は来年中国で、下肢リハビリ用ロボットの製造を開始する予定だ。

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グーグルのAI研究開発に協力

 卓董事長は、グーグルに請われ、人工知能(AI)研究開発チームに加わると明かした。ハイウィンは、AIのロボット分野への応用を目指す。

 また卓董事長は、ドイツ政府が2011年に「インダストリー4.0(第4次産業革命)」を提唱してから10年後となる20年が、世界のスマート製造(スマートマニュファクチャリング)の転換点になると指摘。ハイウィンの産業用ロボット、ダイレクトドライブモーター搭載のAC軸、C軸、およびスマート型ボールねじなども、20年に爆発的に成長するとの見方を示した。同社の産業用ロボット関連の売上高比率は、20年に10%を超える見通しだ。

 同社はTAIROSで、最大規模のブースを出展している。AC軸、C軸は、キタムラ機械(本社・富山県高岡市、北村彰浩社長)の同時5軸制御加工機に採用された他、日本メーカー7~8社からの引き合いがあるという。日本での同時5軸制御加工機の導入率は約10%と、欧州の40%に比べ進んでおらず、成長の余地がある。アジアでは、ハイウィンとファナック(本社・山梨県忍野村、山口賢治社長)のみが技術を持っている。

 また同社は、シリコンウエハー搬送ロボット「HIWIN-EFEM」も出展している。卓董事長は、来年、半導体業向けの新製品が続々と量産に入ると述べた。世界の半導体大手メーカーが増産を予定しており、減速の兆しはないと語った。

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