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石油・化学
作成日:2008年6月4日_記事番号:T00007900
台プラの大エチレン計画、環境アセス年末に完了か
台塑集団(台湾プラスチックグループ)が合計100億米ドルを投じて中国浙江省寧波市北崙石油化学区で進めている石化プラント計画(大エチレン計画)は、今年年末には環境アセスメントの審査が終了する見通しだ。来年上半期には中国当局の認可を得られ、2010年には正式にプラント建設に着工できるとみられる。寧波市「発展改革委員会」にかかわる省政府関係者の発言として4日付経済日報が報じた。
台プラの幹部も3日、同計画の環境アセス報告書を中国の環境当局による審査のため送付したと認め、「中国の行政効率から考えて、3カ月以内には終了するはずだ」と見通しを語った。
昨年中国の国家発展改革委員会は、寧波石油化学区で台プラが進める製油所は中国海洋石油(CNOOC)に、エチレン計画は中国石油化工集団(シノペック)に主導権を取らせると決定した。この決定は、単独での投資を進めたい台プラの希望とは程遠く、計画は急きょ停止されたが、エチレン計画の環境アセスだけは作業が継続していた。
観測によると、中国は製油所に関しては中国側主導にこだわっているが、エチレン計画については譲歩の余地があるとされ、台プラは現在、主導権獲得に向け中国政府に働き掛けているとみられる。