ニュース 電子 作成日:2018年9月4日_記事番号:T00079061
国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が3日発表した予測によると、今年の台湾の半導体生産額は前年比6%増の2兆6,100億台湾元(約9兆4,000億円)と見込まれ、その後も6~8%成長が続き、2021年には3兆元を超える見通しだ。聯華電子(UMC)、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)、鈺創科技(イートロン・テクノロジー)の半導体大手3社のトップは3日、そろって台湾半導体産業に楽観的な見通しを示した。4日付経済日報などが報じた。
左から簡UMC総経理、呉ASE総経理、陳良基科技部長、盧イートロン董事長、曹世綸SEMI台湾区総裁、王永和・国家実験研究院長(3日=中央社)
半導体業界の展示会、台湾国際半導体展(セミコン台湾)があす5日から7日まで台北南港展覧館で開かれる。過去最多の680社以上がブース2,000小間出展する予定で、4万5,000人が訪れると見込まれる。日本、韓国を抜き、世界2位の規模だ。
セミコン台湾では、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)董事長を6月に引退した張忠謀(モリス・チャン)氏が基調講演を予定しており、今後の半導体産業に対する見方に注目が集まっている。
ICが発展の中心に
セミコン台湾開催前の記者会見で、半導体大手3社のトップが半導体業界の見通しについて発言した。
台湾半導体産業協会(TSIA)理事を務める鈺創科技(イートロン・テクノロジー)の盧超群(ニッキー・ルー)董事長は、従来ICはIT(情報技術)製品を刷新させるだけだったが、今後はICを中心に応用が拡大し、商機が大きくなると指摘。ムーアの法則(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)だけでなく、混成集積回路(ハイブリッドIC)やサブシステムの垂直統合などがIC産業の発展に寄与すると述べた。これらにより、30年には全世界の半導体生産額が1兆米ドルへと、昨年4,000億米ドルの約2.5倍になると、大胆な予測を示した。
パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、ASEの呉田玉総経理は、半導体産業の今後60年の商機は無限で、台湾は他社との提携や官民連携で存在感を示し、商機を取りにいくべきと語った。
中国、22年以降の脅威に
ファウンドリー大手、UMCの簡山傑総経理は、台湾は世界ファウンドリー市場の6割を占めており、市場シェア、製造技術ともに重要な地位にあると指摘。今後5年、台湾のファウンドリー生産額の成長率は10%以上と、世界平均の6~7%を上回ると予測した。
また簡総経理は、台湾半導体産業は、ファウンドリーだけでなく、▽豊富な人材▽研究開発(R&D)▽生産能力▽サプライチェーン──などで優位に立っており、▽人工知能(AI)▽モノのインターネット(IoT)▽第5世代移動通信(5G)▽車載用──などのIC需要量の増加は、台湾にとっての好機だと指摘した。
一方、簡総経理は、台湾半導体業界には課題も多いとして、シリコンウエハーの供給不足、生産能力の不均衡(12インチウエハー工場が過剰、8インチ工場が逼迫)、先進プロセス開発のコストと難易度の高まりの他、海外メーカーの参入を挙げた。
SEMIは、台頭する中国が22年以降、半導体市場を左右すると予測している。
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