ニュース 電子 作成日:2018年9月6日_記事番号:T00079113
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)創業者、張忠謀(モリス・チャン)氏は5日、半導体産業は人工知能(AI)など、新技術や新材料などのイノベーションで、今後10~20年も毎年5~6%成長が続くとの予測を示した。劉徳音(マーク・リュウ)董事長は、新技術や新材料で微細化はまだ可能で、製造プロセス2ナノメートルにまい進すると述べた。6日付経済日報などが伝えた。
張氏は、ファウンドリー誕生で最も恩恵を受けたのは、TSMCの顧客だと述べた(5日=中央社)
半導体業界の展示会、台湾国際半導体展(セミコン台湾、台北南港展覧館)が5日開幕し、IC発明60周年を記念したフォーラムで、張氏や劉董事長らが講演を行った。
TSMC董事長を6月に引退した張氏は、これまでの半導体産業の発展は、ファウンドリーのビジネスモデル構築、ムーアの法則(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)の発見をはじめ、10のイノベーションに支えられてきたと指摘。今後の成長は、▽AI、ディープラーニング(深層学習)や、▽極端紫外線(EUV)リソグラフィー▽立体構造トランジスタ(FinFET)▽2.5次元・3次元(2.5D・3D)パッケージング(封止)──などの新技術、カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンなどの新材料に支えられ、世界のGDP(国内総生産)成長率2.5~3%を2~3ポイント上回る成長が続くと語った。
一方、張氏は、中国やアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府による半導体産業支援に関連し、これらの半導体メーカーは果たして利益が出ているのかと疑問を呈した。
なお、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が5日発表したレポートによると、中国では現在、25基の半導体工場が建設・計画中で、うち17基が12インチウエハー工場だ。2020年には、中国での半導体製造装置の販売額が世界最高となり、半導体の生産能力は韓国、台湾に次ぐ世界3位に浮上する見通しだ。
スマホ、売上高に貢献
劉董事長は、16年にムーアの法則は限界を迎えたとの見方が出たが、FinFETなどの新構造、ゲルマニウム(Ge)や二硫化モリブデン(MoS2)などの新材料により、さらなる微細化が可能で、2ナノプロセスに向かうと語った。また、微細化と並行して、▽ロジックICの成長やメモリーの低消費電力化▽混成集積回路(ハイブリッドIC)▽ソフトウエアとハードウエアの共同設計──が半導体産業に成長をもたらすと語った。
この他、劉董事長は、世界のスマートフォン販売市場は停滞期に入ったものの、スマホ1台当たりの半導体搭載量は増え続けている上、数年後には第5世代移動通信(5G)サービスが加わると指摘。スマホはTSMC売上高の4~5割に貢献すると予測した。
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