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バイク販売、自動車離れで絶好調


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2008年6月4日_記事番号:T00007913

バイク販売、自動車離れで絶好調

 
 新政権がガソリンなど石油製品の値上げを敢行した5月、自動車販売台数が同月としては過去22年で最低の低迷ぶりとなった一方、バイクは逆に前年比約30%増、1~5月累計では過去10年で最高と対照的な成長を見せた。自転車販売も5月は過去20年で最高を記録しており、ガソリンコスト上昇を背景に自動車からの乗り換えが急増しているようだ。4日付工商時報などが報じた。

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バイク利用の増加には、大気汚染や交通事故の増加などマイナス面の懸念もある(4日=YSN)

 交通部数拠処が3日に発表した統計によると、5月のバイク新車登録台数は7万7,199台で前年比同月比29.22%の成長を見せた。1~5月累計は32万2,816台で前年同期比で13.1%増加した。

値上げはキャンペーンで相殺

 光陽工業(KYMCO)、三陽工業(SYM)、台湾ヤマハの3大バイクメーカーのうち、光陽と三陽は原料コストの上昇を受けて5月以降2度の値上げを実施しており、新車価格は1,500~2,000台湾元(約5,200~7,000円)上昇している。台湾ヤマハもこれに追随し、6月から同程度の値上げを実施した。

 ただ、5月は各メーカーが販促キャンペーンを展開し、多くの車種で3,000元以上の値引きが行われたため、値上げは事実上キャンペーン終了後に延期されている。このため、消費者の購買意欲が鈍ることはなかった。
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中南部で利用増顕著

 バイクの魅力は何と言ってもガソリン代を節約できることだ。ガソリンの値上げ実施後も毎月バイクにかかるガソリン代は多くても50~60元程度の増加にとどまるとされ、通勤の足として車からバイクへの乗り換えを促している。

 メーカーによると、特に中南部でバイクの利用増が顕著という。高雄市から高雄県鳳山市に通う中学校教師の陳世明さんはバイクまたは自転車での通勤に切り替え、月に3,000元のガソリン代が浮いたという。また、鳳山市の陳医師も車の利用をやめ、駐車場の利用費が必要なくなったと喜ぶ。

 三陽と光陽の幹部は共に、降雨の影響はあってもガソリン値上げの影響はみられず、ハイシーズンに入る6月もバイク市場は前年比10%以上の伸びをみせ、7万台を超える可能性もあると期待する。

 なお、5月のバイクの登録台数増は、販売店による新古車登録の前倒しによって多いメーカーで5,000~6,000台の登録があったことも要因とみられる。

来年から第5期排ガス基準

 政府は来年元旦から、世界で最も厳格と言われる第5期排ガス基準を導入し、バイクのエンジンは全面的にインジェクション(電子燃料噴射式)に切り替えられる。これにより新車バイク1台当たりの価格は8,000~1万5,000元上昇すると予想されており、各メーカーは新基準導入前の下半期にバイクの需要が大きく盛り上がると見込んでいる。

 光陽は、市場全体の通年販売台数は当初予想の80万台を超えて、85万台に達する可能性もあると強気の見通しを示している。

自転車も好調

 バイクに加え自転車も好調だ。巨大機械工業(ジャイアントMFG)は5月の販売台数が前年同月比65%増の3万3,000台となり、美利達(メリダ)も同1万台を超え、売上高は同月比で過去20年間で最高となる1億元を突破した。

 KHSマウンテンバイクは都市交通システム(MRT)など公共交通機関にも持ち込める折り畳み自転車が好調で、5月は前年比7倍以上の伸びとなり、欠品状態が起きているという。

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