ニュース 電子 作成日:2018年9月7日_記事番号:T00079137
6日未明に発生した北海道胆振東部地震で、半導体用シリコンウエハー世界2位、SUMCOの千歳工場(千歳市)が被災し、操業を停止した。この影響で、台塑勝高科技(フォルモサ・サムコ・テクノロジー、台勝科、FST)や環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)、合晶科技(ウエハーワークス)などの台湾同業が転注を得るとの観測が出ている。7日付経済日報が報じた。
SUMCO千歳工場の主要製品は6インチおよび8インチシリコンウエハーで、月産能力は約20万枚。同社は6日、「被害状況を調査中で、判明次第、ホームページ上で逐次状況をアップデートする」と説明した。
SUMCOは、100%子会社SUMCO TECHXIV(サムコテクシブ)と台塑集団(台湾プラスチックグループ)の合弁によって、台湾にシリコンウエハー生産の台勝科を設けており、相互支援関係を結んでいる。台勝科は、2011年の東日本大震災で東日本のシリコンウエハー生産が大きなダメージを受けた際にも受注を大きく伸ばしている。
供給逼迫が深刻化
業界関係者は、SUMCO千歳工場の操業停止によって、既に逼迫(ひっぱく)状態にあった8インチウエハー市場の供給がさらに深刻になると指摘した。シリコンウエハー市場では、中国メーカーが第4四半期に生産能力を拡大するため価格が下落するとの予測も出ていた矢先だった。
証券会社は、千歳工場が早期に 操業を再開できない場合は6インチ、8インチウエハー価格が上昇するとの見方だが、経済日報は「現地の震度の大きさから、工場の被害は軽くないのではないか」との見方だ。
業界関係者によると、8インチウエハーは▽MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)▽自動車用IC▽パワーマネジメントIC▽モノのインターネット(IoT)▽人工知能(AI)用──などの半導体生産に使用されているため、千歳工場の操業停止によって、これら半導体の生産に影響が及ぶとみられる。
三菱マテも操業停止
日本では、シリコンウエハーの原料である多結晶シリコンを生産する三菱マテリアル四日市工場(三重県)も、台風21号(アジア名・チェービー)によって操業を停止している。このことも、シリコンウエハーの生産に影響を及ぼす要因になるとみられる。
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