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豪雨で高雄の道路穴だらけ、バイク事故も


ニュース 社会 作成日:2018年9月10日_記事番号:T00079188

豪雨で高雄の道路穴だらけ、バイク事故も

 高雄市では8月下旬に相次いだ豪雨の影響で、市内の道路には5,000カ所を超える陥没箇所が出現。その多さから補修作業が追い付いておらず、6日にはバイクが穴にタイヤを取られて転倒し、運転者が重傷を負う事故も発生しており、市政府の対応が遅過ぎると非難の声も出ている。

/date/2018/09/10/18kakomi_2.jpg高雄市政府工務局は8日、18チーム約100人を市内各地の道路の陥没箇所に派遣。休日返上で補修工事に当たった(8日=中央社)

 高雄市警によると、6日午後12時近く、20代の女性がバイクで楠梓区左楠路と宏毅一路の交差点を通りかかったところ、道路にできた幅1メートル、深さ3~10センチメートルほどの穴にタイヤを取られて転倒。右側頭部を路面に打ち付け、一時は意識不明に陥る重体となった。現在、容体は安定しており、命に別条はないそうだが、集中治療室での治療が続いている。

 事故現場近くのガソリンスタンド店員によると、現場では過去2日間で5台以上のバイクが転倒しており、高雄市工務局の職員も現場を確認に来たが、警告用のコーンを立てただけだったと指摘した。

 事故に遭った女性の父親は「多くの人が負傷しているのに、娘が大けがをして初めて対応に動くのでは遅過ぎる」と市を批判した。工務局の蔡長展局長は、今回、事故が起きた場所は8月23日に補修工事を行ったばかりだったが、その後の豪雨で再び穴ができたと説明。9月8日に再度、補修を行う予定だったという。今後は作業を加速させると表明した。

 また高雄市と同様、台南市内の道路にも2,000カ所あまりに大小の穴が出現している。7日午前10時ごろには大型のクレーン車が利南街の排水溝工事現場に入ろうとした際、突然、道路が陥没し、車体右側が穴に落ちて傾いた状態となった。

 市政府はこのクレーンを派遣した業者に別のクレーンで引き起こすよう要請した。しかし、業者は賠償金の支払いを確約するよう求めたものの、国家賠償手続きを取るべきと告げられたため、作業を拒否。倒れたクレーン車は現場に残され、周辺道路の通行を妨げる結果となった。

 高雄市と台南市でこれほど大量の穴が出現した原因について土木業界関係者は、手抜き工事が行われた可能性があると指摘。専門家も、道路補修予算が低過ぎること、監督不良などが原因で施工品質が落ちた恐れがあるとの考えを示した。

 なおこの週末は北部でも集中豪雨に見舞われ、台北市や新北市など各地の道路が冠水する事態となった。雨が去った後もバイクや車を運転する際は路面状況に十分な注意が必要となりそうだ。