ニュース 社会 作成日:2018年9月12日_記事番号:T00079239
ビルが立ち並ぶ台中市の中心部に樹齢1,000年を超える1本のアカギの木が生えており、地元住民から「茄苳樹王(アカギの王)」と呼ばれ、宝物のように大切にされてきた。数年前には木のすぐ側でマンションの建設計画が持ち上がり、枯れてしまうのではないかと懸念されたが、住民の願いが聞き入れられて建設は中止に。その後、この大木を中心とする公園の再整備が進められ、先週「茄苳樹王文化生態公園」としてオープンした。
アカギの大木の新公園は、市中心部の新たな憩いの場となりそうだ(台中市政府リリースより)
このアカギは台中市西区の台湾大道、均安街の近くに生えており、高さ30メートル、樹冠の面積は1,500平方メートルにも及ぶ大木で、古くから地元の生活を見守ってきた。
しかし都市化が進むにつれ周囲の地面がアスファルトで固められたことや、近くに市民活動センターが建設されたことがアカギの生育に影響を与えるのではないかと懸念されていた。さらに5年前、木に隣接する土地に地上28階、地下4階建てのマンションの建設計画が持ち上がり、これが実現すればアカギの根が切断され、枯れてしまうと懸念した地元住民は保護運動を開始した。
市政府も介入した結果、建設業者は住民の声を聞き入れ、既にマンションの予約販売を完了していたにもかかわらず、容積率移転の優遇措置提供を交換条件に別の場所での建設に変更。空いた用地を市に寄付することを決めた。
その後、市政府はアカギを中心とした公園の整備計画を進めることを決め、問題となっていた活動センターも撤去した。さらに整備の過程で木の近くに泉が湧いているのを発見。これが1,000年もの間、アカギの木が命を保ってきた最大の理由となっていたことが分かった。
地元住民、市政府、建設会社が協力してアカギを守ったエピソードは、この老木をめぐる歴史の1ページとして語り継がれていくことだろう。
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