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記事番号:T00079270
2018年9月14日15:48

 アップルが米国時間12日に発表したスマートフォン「iPhone」新3機種は、最上位モデルで5万2,900台湾元(約19万2,000円)と、昨年発売モデルより約7~10%値上がりし、消費者から「高過ぎて買えない」との声が相次いでいる。一方、通信キャリア大手、台湾大哥大(台湾モバイル)が同日、予約受付を開始したところ、2時間足らずで1万人以上が登録した。アナリストは、アップルのコアユーザーの買い替えに大きな影響はないとみている。14日付蘋果日報などが報じた。

/date/2018/09/14/00xs_2.jpgiPhone XSシリーズは、明部と暗部の再現性に優れた高画質で、ステレオサウンドでのビデオ撮影が可能だ(アップルリリースより)

本体0元も

 台湾大哥大の予約受付では、6.5インチ有機EL(OLED)ディスプレイ搭載「iPhone XS Max(テン・エス・マックス)」のゴールド(256GB)が過半を占める人気で、5.8インチの「iPhone XS(テン・エス)」でもゴールド(256GB)が最も人気だという。同社はiPhone XSシリーズだけでなく、10月26日発売の6.1インチ液晶ディスプレイ(LCD)搭載「iPhone XR(テン・アール)」の予約も受け付けている。

 遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)は同日より、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)と台湾之星電信(台湾スターテレコム)はきょう14日午後3時1分より、iPhone XSシリーズの予約を受け付ける。

 一方、通信キャリア最大手の中華電信は、事前の予約受付を行わず、21日よりiPhone XSシリーズの販売を開始する。なお同社は13日、本体が最低0元となるiPhone XSシリーズの料金プランを発表した。月額1,399元の24カ月契約で、iPhone XS(64GB)が2万3,300元、30カ月契約で2万1,300元など。iPhone旧機種からの機種変更の場合、最低0元となる。

 台湾での本体価格は、iPhone XSが3万5,900~4万8,900元、iPhone XS Maxが3万9,900~5万2,900元。10月19日予約受付開始、10月26日発売のiPhone XRは2万6,900~3万2,500元。

 蘋果日報は、米国や日本、香港の価格は台湾元換算しても最上位モデルで5万元を超えないと指摘した。日本での販売価格(税別)は▽iPhone XS、11万2,800~15万2,800円▽iPhone XS Max、12万4,800~16万4,800円▽iPhone XR、8万4,800~10万1,800円──。

液晶モデル、50%どまりか

 アップル製品の動向分析で定評がある、中国の天風国際証券(TFインターナショナル・セキュリティーズ)の著名アナリスト、郭明錤氏は、高価格設定について、アップルは既存ユーザーの買い替えに狙いを定め、出荷台数が変わらなくとも、単価を上げることで、利益を確保する狙いと分析した。5万元超えの最上位モデルについても、コアユーザーは価格にこだわらないため、売れ行きに影響はないと予測した。

 一方、郭氏は、iPhone XRは第4四半期の需要期を半分過ぎてからの発売で、売れ行きに影響すると指摘した。ただ、iPhone XSシリーズ2機種が貢献し、全体の出荷台数に影響はないとみている。

 今年下半期の出荷予測は、▽iPhone XS、1,200万台▽iPhone XS Max、3,300万台▽iPhone XR、4,500万台──。iPhone XRは最も売れると期待されていたが、全体の50%にとどまるもようだ。

サプライヤーが犠牲に

 富邦証券投資顧問の廖顕毅アナリストは、アップルがハイエンドスマホの位置付けを守り、粗利益率38%を維持するには、700米ドル以下の価格設定は不可能と分析した。入門モデルiPhone XRは749米ドルから。

/date/2018/09/14/iphone_2.jpg

 またアナリストは、iPhone XRは背面シングルレンズカメラで、背面デュアルレンズの「iPhone7プラス」より魅力が劣ると指摘した。サプライヤーにとって価格が抑えられた入門モデルは粗利益率が低く、出荷台数が伸びないと苦しい。

 第一金証券投資顧問の陳奕光董事長は、アップルは自社の高い粗利益率を維持するために、中国のカメラレンズやプリント基板(PCB)など部品メーカーを開拓をしていると指摘した。ただ、スマホ市場でデュアルレンズ採用が広まっており、大立光電(ラーガン・プレシジョン)は今後も楽観視できるとの見方を示した。

【表】

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