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豪雨で海に土砂流入、墾丁のサンゴが危機


ニュース 社会 作成日:2018年9月14日_記事番号:T00079293

豪雨で海に土砂流入、墾丁のサンゴが危機

 台湾中南部では8月下旬、記録的な集中豪雨が相次いだことで深刻な水害に見舞われたが、豪雨の影響は地上だけでなく海の中にも及んでいるようだ。スキューバダイビングの人気スポットとなっているリゾート地、墾丁(屏東県)では、海底のサンゴが流入した土砂に覆われる事態となっている。

/date/2018/09/14/19reef_2.jpgサンゴの鮮やかな色が泥で覆い隠されている(13日=中央社)

 墾丁沖の海底は台湾で最もサンゴの多様性が豊かな海域とされ、シカツノサンゴ、イシサンゴ、コモンサンゴなど500種類以上のサンゴが生息し、ダイバーからは「七色サンゴ礁」と呼ばれ、人気を集めている。

 しかし同地では8月、23日からの豪雨を含め雨の日が20日以上続き、陸地から大量の土砂が海の中に流入。これにより比較的水深の浅いエリアではまるで砂嵐に遭ったかのようにサンゴが土砂で覆われてしまった。

 墾丁でインストラクターを務めるベテランダイバーの蔡永春さんによると、土砂に覆われたのは水深10メートルほどのエリアに集中している。ただ、本来は水が澄んでいる後壁湖近くの水深12~18メートルのエリアも現在は一面に土砂が漂い、濁っている状況だ。蔡さんは「30年以上潜っているが、こんなに水質が悪いのは見たことがない」と話した。

 サンゴは長時間、土砂に覆われた場合、光合成を行うことができずに窒息し、白化して死んでしまうと蔡さんは指摘。潮流が土砂を流し去ることを待つだけでなく、ダイバーたちに「土砂をかぶったサンゴを見付けたら、軽く手であおいで息ができるようにしてやってほしい」と呼び掛けている。

 なお現在、強烈(非常に強い~猛烈な)勢力の台風22号(アジア名・マンクット)が墾丁の面するバシー海峡に向かって接近している。墾丁国家公園管理処の劉培東処長は「大きな波が起きればサンゴを覆う土砂を運び去る可能性がある」と指摘した。

 台風22号の被害は少なく、サンゴへの良い効果だけもたらしてくれるといいのだが。