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中国人のイメージ大幅改善、関係悪化の影響受けず=聯合報


ニュース 社会 作成日:2018年9月17日_記事番号:T00079297

中国人のイメージ大幅改善、関係悪化の影響受けず=聯合報

 中国の一般市民層に良いイメージを抱く台湾人が顕著に増加している。聯合報の「両岸関係年度大調査」アンケートによると、今年は「良い」が過去最高の57%と、「悪い」のほぼ2倍になった。中国政府に対するイメージが悪化した一方で、一般市民層の印象は改善しており、経済発展に伴う中国社会の民度向上を裏付けているとみられる。また、中台の政府間の関係悪化は、中国社会に対するイメージに影響をもたらしていないこともうかがえる。同紙が17日報じた。

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 聯合報の中台関係に関するアンケートは2010年から毎年行われている。同調査によると、今年は中国の市民に対するイメージで「良い」が前年比8ポイント上昇して57%に達したのに対し、「悪い」は7ポイント下落の30%となり、両者の差は27ポイントに開いた。2年前は「良い」が44%、「悪い」が45%と拮抗(きっこう)していたため、台湾人の中国市民へのイメージは急速に改善しているといえる。

 中国市民に対し「非文明的」と感じる割合は16%で3年連続低下。強圧的で強引、富を見せびらかす、傲慢といったマイナスイメージはいずれも7%未満だった。

 中国を訪れたことのある台湾人は61%が中国市民に好印象を持つ。この割合は訪れたことのない回答者よりも9~11ポイント高かった。

 一方、中国政府に対するイメージは「悪い」が51%で前年比6ポイント上昇。「良い」が34%で6ポイント下落した。

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心理的垣根が低下

 中国での就業意欲に関する質問には、「働きたい」との回答が43%と4年前から18ポイント増えて過去最高に、「起業したい」との回答も30%と3年前から10ポイント増えて過去最高となった。「子女を中国の大学で勉強させたい」との回答も44%で過去最高だ。

 「中国は将来、世界一の強国になる」との見方は、前年比で10ポイント下落したものの依然62%で高い割合を維持した。経済発展と有望な将来性、市民の印象改善といった要素が、台湾人の中国社会に対する心理的垣根を下げる役割を果たしている。

 こうした状況を背景に、中台関係の将来像で「永遠に現状維持」への賛成割合は45%と、選択項目の中で依然最大ではあるものの前年から4ポイント下落。「将来的に統一」「直ちに統一」に賛成する割合はそれぞれ1~2ポイント上昇し、合計で23%となった。「将来的に独立」「直ちに独立」の割合は24%でそれぞれ2ポイント下落した。

民間・経済交流に変化なし

 中台間の「政治」、「軍事」、「外交」、「経済」、「社会」の5分野が、「友好・互恵」から「緊張・競争」までのどの段階にあるのかの見方を調査も行われた。0~4ポイントが友好、5~6ポイントが中間、7~10ポイントが緊張と、数値が低いほど関係が良好で、高いほど悪化の度合いが強いことを示す。

 今年は5分野のうち「社会」が5.3ポイント、「経済」が6.6ポイントと、例年並みの数値で中間の範囲に入った。一方、「政治」は7.0ポイントで前年比0.6ポイント悪化、「外交」は7.7ポイントと0.5ポイント悪化した。中国が台湾の友好国を次々奪うなど政治、外交面が悪化の一途をたどる一方、民間や経済の交流は従来とあまり変化のない現状が示された形だ。

蔡総統の手腕、不満が68%

 「政治」では、「双方の政府間の関係は安定している」との回答が前年の40%から29%に11ポイント低下し、過去最低となった。「関係が低迷」は34%から過去最高の48%へと上昇した。蔡英文総統の中台関係への対応手腕には「不満」が68%で、2年前の48%から20ポイント上昇。「満足」は19%で2年前の31%から12ポイント低下した。

 また、「軍事」では双方が「緊張状態にある」と認識する回答が昨年の42%から46%に増加した。

 アンケート調査は9月6日から8日にかけて、台湾全土の20歳以上を対象に電話で行われ、1,030件の有効回答を得た。回答には回答者の年齢や居住県市の構成に応じた調整を行った。

【図】