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怪登山客の救援ヘリ要請、「楽な下山」が目的か


ニュース 社会 作成日:2018年9月19日_記事番号:T00079370

怪登山客の救援ヘリ要請、「楽な下山」が目的か

 中央山脈を単独で登山していた男性(51)の下山が遅れていることを心配した妻が今月12日に消防隊に救助を要請し、無事発見されたものの、その後、男性はなぜか救助隊からこっそりと離脱。しかし3日後に再度妻を通じて救助要請があり、結局、ヘリコプターで下界の病院へ運ばれることになったが、特に体調が悪そうに見えなかったことから、男性には楽に下山したくて救援を求めたのではないかとの疑惑が浮上している。

/date/2018/09/19/18kakomi_2.jpgベテラン登山家の指摘が正しいとすれば、登山客(左)への罰金処分は当然だろう(18日=中央社)

 この男性は、中央山脈の「南三段」とよばれる花蓮県から南投県にかけてのルートに単独で登山しようと今月1日に出発。計画では10日に下山する予定だったが、同日を過ぎても帰宅しなかったため、心配した妻が12日に南投県消防局にと救助を要請した。

 これを受けて消防局はヘリコプターで標高3,000メートルの地点に消防隊員9人を救助に派遣した。その後、懸命の捜索の結果、消防隊員の1人が14日に無双山(南投県、標高3,231メートル)付近で男性を発見。しかし同日深夜、テントで休んでいる最中に男性は隊員の元を離れ行方不明に。消防隊は引き続き捜索を続けたが、長期間の活動によって高山病にかかったり、足をくじくなど体調悪化を訴える隊員が出たため、17日までに8人が下山した。

 ところがその日、妻を通じて再度、男性から救助要請が入ったため、再度ヘリを派遣、救助することとなった。男性は病院に搬送されたが、意識もはっきりしており、体にも特に外傷もなく、自分で歩ける状態で、病院の検査も断って妻とともに帰宅した。

 なお男性のピンピンした様子に腹を立てた消防隊の1人が「あなたはヘリに乗る必要があったのか?こっちは足をくじきながら歩いて下山したのに」と面と向かって叱責(しっせき)。「多くの人に謝るべきだ」と詰め寄ると男性は小さな声で謝罪の弁を述べた。

 男性の行動についてベテラン登山家は、無双山の登山道は険しく、崩れている箇所もあり、下山には2日を要することから「仮病」を使って救助を要請し、楽に下山しようとした可能性があると指摘。しかし、思いがけず登頂前に救助隊に発見されたため逃げ出し、登頂後に再度要請したのではないかとの見方を示した上で、救援リソースを浪費しただけでなく、消防隊員の命を危険にさらした行為として厳しく非難した。

 なお南投県の登山活動自治条例によると、入山が規制される地域で登山を行う場合は提出した登山計画通りに行動する必要があるが、男性は計画とは異なる単独行で、予定ルートからも外れていたことから13万台湾元(約47万円)の罰金処分が科せられるほか、救助にかかった費用約100万元の賠償も求められる可能性があるという。