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和大、トヨタのサプライチェーン入りか


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2018年9月21日_記事番号:T00079400

和大、トヨタのサプライチェーン入りか

 自動車部品大手の和大工業(HOTA)は、トヨタ自動車のハイブリッド車の来年モデル向けに歯車減速機(ギアボックス)を供給することが決定したもようだ。米電気自動車(EV)大手、テスラのサプライヤーとしてのイメージが強い同社だが、テスラの経営不振が表面化した中、供給先の多様化に注力している。21日付経済日報が報じた。

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 和大のギアボックスのサンプルがトヨタの認証を通過したとの観測が事実であれば、トヨタに直接供給する初のケースとなる。トヨタへは、顧客の米自動車部品メーカー、ボルグワーナーを通じてトラック向けにトランスミッションを供給した実績を持つようだが、直接供給となれば両社の関係は大きく深まることになる。なお、和大は供給観測についてコメントを控えている。

 トヨタのハイブリッド車を中心とした電動車の昨年販売実績は152万台で、業界関係者は、和大は来年、爆発的な売り上げ成長が見込めると予想した。

 和大はまた、欧米最大の自動車メーカーからギアボックスの受注を獲得し、年末にも出荷を開始する見通しだ。観測によると、2車種向けに年間80万台以上を供給するとされる。

 和大は今年、テスラへのギアボックスの独占供給によって大幅増収を達成できたが、テスラの経営悪化によって、今後も好調な売上高を維持できるのか疑問視する見方が出ていた。こうした中、日本や欧米の自動車最大手への新規供給は大きな意味を持つ。

 和大はフォード、BMWなどにも製品を供給している。また、今年は米国と中国の複数の新エネルギー車メーカーと協力関係に入った。

EV需要で生産能力拡充へ

 業界関係者は、自動車メーカーがガソリン車からEV生産への転換を図る中、従来のエンジンと変速機を、モーターと歯車減速機などに置き換える必要があるため、和大は受注が増えていると分析。こうした受注は、最初から年間30万~50万台規模に達すると指摘した。

 和大のEV向け売上比率は、今後数年で30~40%へと、従来の約20%から拡大すると予測されている。同社は需要に応じるべくスマート生産ラインを拡充、新規工場計画も加速させる方針だ。今週17日には中部科学工業園区(中科)二林園区(彰化県二林鎮)で新工場に着工しており、今後は海外での生産拡大も目指す。

【図】