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日本の路面下空洞探査車、豪雨被害の高雄市で活躍


ニュース 社会 作成日:2018年9月25日_記事番号:T00079448

日本の路面下空洞探査車、豪雨被害の高雄市で活躍

 高雄市で8月下旬に相次いだ豪雨の影響で、市内の道路に5,000カ所を超える陥没箇所が出現し、補修作業が追い付かず、バイク事故などが発生して問題となっている。こうした中、日本の民間企業が東日本大震災時の台湾からの支援に対する感謝の意を示したいとの考えから、自社の機器を用いて道路状況の調査を無償で提供したいと申し出た。

/date/2018/09/25/18kakomi_2.jpg高雄市の道路下の空洞調査に活躍したスケルカー。日台間の災害の相互支援に、新たな美談を添えた(20日=中央社)

 高雄市に無償業務の提供を申し入れたのは、路面下の空洞調査を手掛けるジオ・サーチ(本社・東京都大田区、冨田洋社長)という企業だ。先週、交通規制を敷くことなく速やかに路面下空洞調査を行える地盤探査レーダー(GPR)搭載の探査用車両「スケルカー」を台湾に持ち込み、16日から20日にかけて▽建国三路▽河東路▽民生一路・二路▽旗楠路▽二聖二路▽武慶二路──といった、道幅が広く、陥没の恐れがある道路で調査を実施した。

 既に一部で地質が緩んだ箇所、排水溝や水道管の構造に異常があるとみられる箇所が発見されており、ジオ・サーチは今後、得られたデータをいったん日本に持ち帰って詳しく分析。10月に再度訪台して高雄市政府工務局とともに異常が確認された箇所を掘り返し、補強が必要かどうかを判断する。

 なお工務局によると、スケルカーは地下1.5メートルの深さにある30センチメートル以上の空洞を発見することが可能で、日本では地震発生後に路面下の空洞や水道管の異常を早期に発見し、陥没による被害を防ぐため広く活用されている。

 台湾でもレーダーを用いた路面や地下の調査は既に導入されているが、車両式のものが使用されるのは今回が初めてだ。ジオ・サーチは無償でサービスを提供したが、スケルカー1台で1,000万台湾元(約3,700万円)以上の費用がかかるコストの高さから、これまで政府機関は採用に乗り気でなかったという。高雄市工務局の黄志明副局長は、今回の交流を通じて最新技術の理解に努めたいと語った。