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コンパル、米中貿易戦争でベトナム生産検討


ニュース 電子 作成日:2018年9月27日_記事番号:T00079477

コンパル、米中貿易戦争でベトナム生産検討

 ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の翁宗斌総経理は26日、米中貿易戦争の激化を見越し、ベトナム工場での生産を検討していると明らかにした。第4四半期にも決定する。米国が中国に対し第4弾の制裁関税を発動すれば、全ての中国製品が対象となる懸念があるためだ。受託生産業界は、生産体制の見直しを迫られている。27日付経済日報などが報じた。

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 翁総経理は、米国が中国製品2,670億米ドル相当に対し第4弾制裁関税を発動すれば、全ての電子製品が影響を受けるので、ベトナム工場計画を始動し、早ければ4~6カ月以内に再稼働すると述べた。既に視察を行い、第1次評価を実施しており、来週にも第2次評価を行う予定だ。コンパルは2007年にベトナム工場を設置し、09年よりノートPCを生産していたが、13年に生産ラインを停止した。

 コンパルの主力である▽ノートPC▽スマートフォン▽スマートデバイス──は、米国の対中制裁関税の影響はまだない。サーバーの売上高比率は低く、影響は大きくない。ただ、米中貿易戦争のリスクが高まる中、顧客から中国以外の生産拠点について問い合わせが相次いでいるという。

 翁総経理は、ベトナム移転の最大の課題はサプライチェーンだと指摘。部材の輸送でコストが増えると説明した。ただ、米国の対中制裁関税にPCやスマホなどまで含まれれば、移転先の生産コスト上昇が関税の25%より低い限り、顧客は受け入れるとの見方を示した。

 翁総経理は、ベトナムは中国より人件費が安く、ノートPCの生産コスト上昇が3%以下と説明した。台湾生産に切り替えた場合は、生産コストが3%上昇するという。

クアンタ・ウィストロンも対策

 広達電脳(クアンタ・コンピューター)は、台湾、欧米、東南アジアに生産拠点があり、どこで生産するかは顧客次第だと説明した。緯創資通(ウィストロン)の黄柏漙総経理は、中国以外に▽米国▽メキシコ▽チェコ▽マレーシア▽インド──に生産拠点があり、生産を融通できると説明した。

 クアンタ、ウィストロン、英業達(インベンテック)は、サーバー受託生産の大手。米国は、中国製サーバーやマザーボードなどに制裁関税10%を課している。

CPU不足解消、来年下半期か

 コンパルの翁総経理は26日、インテルの中央処理装置(CPU)供給不足問題について、来年下半期まで解消しないとの見方を示した。CPU供給不足問題を受け、コンパルはこれまでに、第3四半期ノートPC出荷成長は前期比で5%以下と予測している。

 一方、ウィストロンの黄総経理は、インテルのCPU供給不足問題は心配無用と述べた。ウィストロンは既に第3四半期ノートPC出荷見通しを下方修正している。

【表】