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裕隆とエイサー、自動運転車を披露


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2018年9月28日_記事番号:T00079508

裕隆とエイサー、自動運転車を披露

 自動車大手の裕隆集団は27日、宏碁(エイサー)と共同開発した自動運転のコンセプトカーを発表した。初の台湾自主開発だ。裕隆の電気自動車(EV)をベースに、エイサーの自動運転ソフトウエアを搭載し、SAEインターナショナルが定義する自動運転の準レベル4(レベル5が完全運転自動化)を実現した。世界の自動車メーカーやグーグル、アップルなどが自動運転車開発に取り組む中、台湾勢も産学官連携で商機獲得を目指す。28日付工商時報などが報じた。

/date/2018/09/28/00top_2.jpg準レベル4自動運転のコンセプトカー。李董事長(左)は、台湾の自動運転、スマート運転、EVの核心技術が詰まっていると述べた(エイサーリリースより)

 裕隆集団が同日、第2回台湾汽車科技発展創新高峰会で発表した自動運転のコンセプトカーは、裕隆傘下の華創車電技術中心(HAITEC)が、裕隆汽車製造(ユーロン・モーター)傘下の独自ブランド、納智捷(ラクスジェン)のEVセダン「S3 EV+」をベースに開発した。先進運転支援システム(ADAS)、車のインターネット(IoV)などを利用した自動運転技術を搭載し、エイサーの人工知能(AI)を活用したソフトウエアが分析、動作の決定、制御などを担う。エイサーのシステムは、台湾の複雑な道路環境も想定しており、クラウドと連携した配車サービスなど、モビリティ・アズ・ア・サービス(サービスとしての移動手段、MaaS)を実現する。

 これまでに路上で半年のテストを行っており、年末に台南市の沙崙智慧緑能科学城(沙崙スマート・グリーンエネルギー・サイエンスシティー)の自動運転車テストサイトで試験走行を行う予定だ。

レベル4を目標

 同日の自動運転コンセプトカーのデモンストレーションでは、地下駐車場から、坂道、狭窄(きょうさく)部、カーブを経由するルートを1回でクリアした。華創車電の李俊忠董事長が、故意に自動運転車の前方に飛び出し、自動緊急ブレーキ(AEB)の動作を確かめるパフォーマンスも見せた。

 李董事長は、世界の自動車メーカーが自動運転技術の研究開発(R&D)に大規模な投資をし、現行のレベル2(部分運転自動化)から、レベル3(条件付き運転自動化)、レベル4(高度運転自動化)を目指していると指摘。台湾勢も、自動運転車の市場に参加しないわけにはいかないと意気込みを示した。

 台湾勢は、エイサーの他、▽光学製品の光宝科技(ライトン・テクノロジー)▽先進運転支援システム(ADAS)大手の欧特明電子(oToBrite)▽自動車用エンジンの華擎機械工業(チャイナ・エンジン、CEC)──などの企業や、▽工業技術研究院(工研院)▽車輌研究測試中心(ARTC)▽金属工業研究発展中心(MIRDC)▽台湾大学▽台北大学▽台北科技大学──も参加する。