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記事番号:T00079713
2018年10月9日15:59

 台湾中油(CPC)による観塘工業区(桃園市)での第3液化天然ガス(LNG)受け入れ基地の建設計画で、残されていた工業港の環境差異分析評価が8日、環境影響評価委員会大会(環評大会)を通過し、同地での着工が決まった。生物礁(藻礁)保護をめぐる環境保護団体の反対によって通過に時間がかかったが、脱原発政策の下での電力の安定供給に向けて大きな前進となった。9日付聯合報などが報じた。

/date/2018/10/09/00top_2.jpg第3液化LNG受け入れ基地建設にようやくゴーサインが出た。地元の鄭文燦桃園市長は、建設に当たっては環境面を注視し、生態系に与える影響を可能な限り低くしたいと語った(8日=中央社)

 環評大会は政府が強硬姿勢を見せた中、利益相反行為回避のため不参加の3人を除く委員18人のうち、多くの民間の委員が欠席した結果、政府側の7人を含む10人のみの出席にとどまった。定足数を満たしたため大会は成立、採決で7人の賛成によって承認が決まった。

 同基地は投資額約600億台湾元(約2,200億円)で、台湾電力(台電、TPC)大潭発電所の7~9号発電機に天然ガスを供給する。蔡英文政権は脱原発政策の下、2025年段階で電源構成(発電のためのエネルギー源)の50%を天然ガスで賄う目標を立てており、同基地を着工できない場合、電力供給不足に陥る恐れも指摘されていた。

 頼清徳行政院長は今月5日、大気汚染への懸念から住民の反対運動が起きている深澳火力発電所(新北市瑞芳区)について、観塘工業区での第3LNG受け入れ基地の建設を通じて十分な電力供給が可能になるとの条件付きで、建設中止も選択肢と表明していた。来月の統一地方選挙を視野に入れた発言で、それだけに8日の環評大会での否決は許されない状況だった。

23年1月の供給目指す

 コラス・ヨタカ行政院報道官は通過の結果に「環境評価委員の決定を尊重する。経済部は天然ガス発電計画の検討に着手する」と語った。

 CPCの方振仁副総経理は通過に感謝の意を示し、25年の脱原発目標に合わせて23年1月からの天然ガス供給を目指すと表明した。当初計画からは半年の遅れとなるが、早期完工に全力を尽くす方針だ。25年には300万トン供給する予定だ。

 一方、環境保護団体の緑色公民行動聯盟会は、政府の強硬姿勢によって多くの民間委員が出席を拒否した中で採決が行われ、環境影響評価制度が破壊されたとの声明を発表し、政府を批判した。その上で、生態系保護のため第3LNG受け入れ基地は代替地を探すべきと主張した。

 野党国民党は洪孟楷スポークスマンが、「(深澳火力発電所が争点となっている)新北市長選の劣勢を挽回する目的で、環評大会を政治の道具に使っており遺憾だ」と批判した。

 民進党立法院議員団の李俊俋幹事長は「エネルギー政策は社会全体を考えることが必要だ。承認を受けた以上は、規定に従って進める」と述べた。

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