市場調査機関IDCは5日、今年の低価格パソコン(PC)の世界市場での出荷台数は350万台程度という予測を示した。パソコンメーカー各社の1,200万~1,500万台という予測に対し、ボブ・オドネル副総裁は、「あまりにも高い数値で、ばかげている」とコメントした。6日付経済日報が報じた。
オドネル副総裁は、2012年までの累計出荷台数でもわずか920万台という予測を示した。新興市場ではパソコンを初めて購入する場合、機能が十分そろっており、寿命の長い機種が選ばれ、欧米などの先進国では、ユーザーは15インチ以上のディスプレイやキーボードに慣れている。また、携帯性では携帯電話の方がはるかに優れている。このため、低価格PCに発展の余地はないと指摘した。
一方、ノート型パソコン(ノートPC)の通年の世界市場出荷台数の成長率予測は、3月の予測の26.2%から34.5%に上方修正した。米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)の影響を懸念してこれまで低めに見積もっていたが、ノートPCがオフシーズンの第1四半期の成長率が36%と好調となり、第2四半期も需要が持続していることが理由だ。中でも、欧州、南アメリカ市場の需要が強いという。ノートPCの昨年の成長率は34%だった。
パソコン全体の成長率予測も、3月の予測12.8%から15.4%に引き上げた。