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MRTのエスカレーター、新マナーで混乱続出


ニュース 社会 作成日:2008年6月9日_記事番号:T00007978

MRTのエスカレーター、新マナーで混乱続出

 
 あなたはエスカレーターを利用する際、どちら側に立ちますか?日本や欧米諸国では、急ぐ人のために、エスカレーターでは片側を空けておくのがマナーになっている。

 台北の都市交通システム(MRT)では、「右側は立つ、左側は歩く」というマナーが、利用者に深く浸透。台北MRTを運営する台北捷運公司が、利用者が激増した2000年以降、「エスカレーターでは右側に立ち、左側を歩行者のために空けよう」と積極的に呼び掛け、指導を続けた結果だ。

 ところが、このエスカレーター文化が今、転機を迎えようとしている。04年の大みそかに起きたエスカレーターでの転倒で5人が重軽傷を負った事故がきっかけとなり、台北捷運公司内では「エスカレーターでの歩行は危険」との認識が高まり、左側を歩くよう呼び掛けるのを止めたのだ。エスカレーターで左側を空けると、左右の重量バランスが崩れ、故障につながりやすいことを懸念したのも一因だった。

 このため新たに、「左右の区別なく、手すりをつかみしっかり立つ」というエスカレーターでの安全マナーを呼び掛けるようになった。

 しかし、同社は従来の「右は立つ、左は歩く」のマナーを廃止するとも言わず、また、エスカレーターでの歩行禁止を呼び掛けるわけでもなく、新しいマナーを宣伝したため、「エスカレーターでは左側を歩くもの」という常識が定着している利用客の間で、混乱やトラブルが多発している。

 なお、台湾鉄路(台鉄)は、エレベーターでは左側を空けるよう宣伝しているが、台湾高速鉄路(高鉄)と高雄MRTは特に呼び掛けることはしていないという。