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高雄港Q3取扱量3%増、米中貿易戦争などで


ニュース 運輸 作成日:2018年10月16日_記事番号:T00079825

高雄港Q3取扱量3%増、米中貿易戦争などで

 高雄港の第3四半期コンテナ取扱量は、前年同期比3.75%増の259万TEU(20フィートコンテナ換算)と、同期として過去3番目に高かった。伸び幅は今年最大。米中貿易戦争による制裁関税を回避しようと、7月より出荷が増えているためだ。コンテナ貨物補助制度の拡大も貢献し、通年のコンテナ取扱量は昨年を上回り、世界14位に1ランク上昇する可能性がある。16日付経済日報が報じた。

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 港湾運営会社、台湾港務公司(TIPC)によると、高雄港は、米国航路が取扱量の約30%と、長距離航路の最大を占める。中国など近距離航路からの積み替え(トランシップ)も多い。例年コンテナ取扱量が多いのは、新学期を前にした8月と、クリスマス前の10月だ。しかし今年は米中貿易戦争の影響で、米国の小売業者やメーカーの出荷が7月から増え始めた。台湾メーカーへの転注による米国向け出荷も増えており、コンテナ船の貨物積載率は95%以上に大幅上昇した。

 米国は9月に中国製品2,000億米ドル相当を対象に関税10%を上乗せする第3弾制裁措置を発動した。TIPCは、例年第4四半期は長距離航路の非需要期に当たるが、米国が来年1月から第3弾制裁措置の関税を25%に引き上げることから、年内は出荷増が続くとみている。

補助金、駆け込み利用も

 高雄港の第1~3四半期のコンテナ取扱量は777万8,000TEUで、前年同期比1.28%増加した。昨年は1,027万TEUで世界15位と、アモイ港(中国福建省)に10万TEU余りの差で及ばなかった。コンテナ取扱量の世界ランキングは2000年の3位から低下が続いている。

 そこでTIPCは今年、コンテナ積み替えに対する補助金を1TEU当たり300台湾元(約1,100円)へと、従来の50元から引き上げた。この他、近距離・遠距離航路の新設に対し1隻当たり8万~120万元の補助金を支給している。年末で終了するため、年内は駆け込み利用が予想される。

海運大手、2桁増収

 海運大手の陽明海運(ヤンミン・マリン・トランスポート)の9月連結売上高は、前月比2.4%減、前年同月比14.2%増の127億5,000万元と、8月に次ぎ今年2番目に高かった。第1~3四半期のコンテナ取扱量は、前年同期比15%増だった。

 長栄海運(エバーグリーン・マリン)の9月連結売上高は、前月比2.3%増、前年同月比13.8%増の153億1,000万元で、過去最高を記録した。

【図】