ニュース 運輸 作成日:2018年10月22日_記事番号:T00079929
21日午後4時50分ごろ、新北から台東に向かっていた台湾鉄路(台鉄)の特急列車「プユマ(普悠瑪)号」が宜蘭県蘇澳の新馬駅付近の急カーブ区間を通過中に脱線、横転した。18人が死亡、重傷10人を含む187人がけがをした。日本台湾交流協会によると、日本人の被害はなかった。台鉄で過去37年で最も死者数が多い大惨事だ。スピードの出し過ぎなどを含め、事故原因の究明を急ぐ。22日付聯合報などが報じた。
W字型に折り重なるようにして脱線した(21日=中央社)
脱線した車両は、樹林駅(新北市樹林区)を21日午後3時9分発車した台東駅行き「プユマ6432号」8両編成で、366人が乗車していた。けが人には、運転手や米国人女性1人も含まれた。事故現場は台北と観光地の花蓮を結ぶ東部の幹線で、日本人など外国人観光客の利用も多い。週末の日曜日午後の台東方面に向かう列車だったため、外国人の乗客が多くなかったとみられる。
列車は、新馬駅のプラットフォーム、跨線橋、架線柱などにぶつかりながら脱線し、線路から大きく外れた道路脇まで飛ばされた車両もあった。全車両が脱線、このうち約半分が横倒しになり、先頭の8号車、7号車などに被害が集中した。
乗客や消防などによると、車内は座席がひっくり返しになり、鉄製のフレームが変形、多数の乗客が血を流すなど、悲惨な状況だったという。
夜を徹して懸命の救助活動が行われた(21日=中央社)
「いつもより揺れた」
交通部台鉄管理局の鹿潔身局長によると、運転士から、動力系統に問題があるが、運行継続は可能と報告があったという。乗客によると、運行中に2~3度緊急停車した他、激しく揺れるなど、通常とは異なる感じがしたという。他の乗客からは、脱線の直前に何らかの物体にぶつかったとの声もある。
現場の新馬駅付近は曲線半径300メートルの急カーブ区間で、最高速度が時速65キロメートルに制限されている。ある乗客は、アプリで計測したところ、時速129キロだったと語った。
交通部や台鉄などは、事故原因の特定を進める。スピードの出し過ぎ、スピード超過時に自動でブレーキを動作させる自動列車防護装置(ATP)の故障や、プユマ号の車種特有の問題がなかったかなどの疑惑が指摘されている。
プユマ号、運行停止の可能性も
プユマ号の車両は日本車両製造が製造、カーブでも比較的高速での走行が可能な車体傾斜システムを採用している。台鉄が2012年より導入し、17年に大規模保守を行ったばかりだった。
頼清徳行政院長は、もし事故の原因が車両にあった場合、プユマ号の運行停止も含めて検討するとの考えを示した。プユマ号は、昨年10月にも三民駅(花蓮県)で脱線を起こした。けが人はなかった。
台鉄は1981年3月、特急「自強号」が鉄橋から落下し、30人が死亡、130人が重軽傷を負う事故を起こしている。今回の死者数は、これに次ぐ多さだった。
なお、不通となっていた現場付近の区間は、きょう22日午前5時過ぎより、片方の線路を利用して上下線の運行を再開した。復旧までにバスでの代替輸送を利用するなど、1万人以上の足に影響が出た。台鉄は3日以内の上下線復旧を目指す。
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