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プユマ脱線で中学生も犠牲に、韓国からの帰途


ニュース 社会 作成日:2018年10月23日_記事番号:T00079979

プユマ脱線で中学生も犠牲に、韓国からの帰途

 21日に台湾鉄路(台鉄)宜蘭線で起きた特急列車「プユマ(普悠瑪)号」脱線事故は、死者18人を出す大惨事となったが、その中には交流活動のため訪問した韓国から帰宅する途中だった中学生3人も含まれていた。

/date/2018/10/23/18kakomi_2.jpg全校200人余りのうち教師と生徒5人を失った卑南国中では22日、教師らが生徒たちに対し、集団カウンセリングを試みた(22日=中央社)

 台東市の卑南国中(中学校)では、生徒たちに国際的な視野を養わせようと、柔道や野球といったスポーツクラブに所属する生徒や引率の教師を含めた25人を韓国に派遣した。韓国で5日間の交流活動を終えた一行は21日、台東へ帰るため台北でプユマ号に乗り込んだ。

 しかし不幸にも事故に遭遇し、生徒の陳睿杰さん、陳宥臻さん(11、女性)、姜翁曼文さん(12、女性)、教師の張加頴さん(31、女性)と李詩涵さん(26、女性)の死亡が確認された。

 柔道クラブに所属する陳睿杰さんは学校の代表とし何度も大会に参加し、今年の全国大会で第3位に輝くなど将来が有望視されていたそうだ。今回の韓国行きが決まった際は父親に「うちでは海外旅行の最年少記録だよ」とうれしそうに話していたという。事故現場で発見された彼のスーツケースからは家族のために購入したおみやげが見つかり、それを見た両親はその場で泣き崩れた。

 また元台東市長、頼坤成氏(民進党)のめいに当たる姜翁曼文さんも初めての海外旅行だった。不幸を知った頼氏は22日、フェイスブック(FB)上に「かわいくて素直な女の子で、旅行をとても楽しみにしていた。こんなに早く命を落とすなんて信じられない」と書き込んだ。

 この他、女子生徒の李旻瑄さん(12)と男子生徒の王羽飛さん(14)は、重体だったが、現在2人とも意識を回復し、命に別条はないようだ。うち野球部に所属する王さんは「台東の大砲」と呼ばれるほどの強打者で、重体の知らせを受けて同じく台東出身の人気プロ野球選手、林智勝(中信兄弟エレファンツ)が回復を祈るビデオレターを寄せた。

 今回の事故では卑南国中の生徒3人を含め中学生以下の子供が5人亡くなった。人生はまだこれからという若い命が消えてしまったことには、痛ましい以外の言葉が見つからない。