ニュース

記事番号:T00080007
2018年10月25日16:02

 台湾鉄路(台鉄)の特急列車「プユマ(普悠瑪)号」脱線について、行政院の調査委員会は24日夜、事故4分前に運転士が運転指令員に対し、自動列車防護装置(ATP)がオフ状態だと報告していたと発表した。運転士から報告はなかったとする交通部台鉄管理局の鹿潔身局長の発言を否定した格好だ。また、プユマ号はATP遠隔監視システムが未搭載で、運転士以外はATPの状態を確認できないことも分かった。プユマ号の昨年の乗客数は延べ693万人。不確実な説明、管理体制の不備が明るみに出る中、乗客の命を預かる台鉄への信頼感が揺らいでいる。25日付聯合報などが報じた。

/date/2018/10/25/00top1_2.jpg蔡英文総統(後左)は24日、遺族を慰問した(24日=中央社)

 脱線の原因は急カーブでの速度超過とされる中、速度超過時に自動でブレーキを動作させるATPがオフになった経緯が調査の焦点となっている。

 事故調査委員会の召集人、呉沢成政務委員は24日、運転士が自らATPを切ったのか、大渓駅で動力問題を解決するためパンタグラフを下げた際、ATPがオフになってしまったのかを調査していると説明した。

 行政院の発表によると、ATPは午後4時14分に通過駅の大渓駅(宜蘭県)に臨時停車した後、事故発生までの約36分間、作動していなかった。通信記録によると、運転士は午後4時46分、ATPがオフの状態にあり、速度が改善したと運転指令員に報告していた。

 また通信記録によると、運転士は午後4時5分以降、貢寮駅~福隆駅(新北市貢寮区)間を運行していた43分間に9回、列車の動力系統の異常を運転指令員に訴えていた。運転士と運転指令員は、事故直前の午後4時48分の時点でも、動力系統の問題のための通信を続けていた。

 報道によると、動力系統が異常な状態で列車の遅延を取り戻すため、ATPが切られたとの見方もある。

 台鉄管理局の鹿局長は25日午前、辞任を申し出、受理された。

/date/2018/10/25/00rail_2.jpg台鉄管理局の鹿局長。死者18人、けが人187人(重傷10人)を出したプユマ号脱線事故を受け、引責辞任した(24日=中央社)

ATP品質に問題も

 台鉄は24日午後、プユマ号全19編成にはATP遠隔監視システムを搭載していないことを認めた。ATP遠隔監視装置は、運転士がATPをオフにすれば、運転指令所で警報が表示される仕組みだ。

 台鉄は2006年、全車両にATPを搭載したが、当初は故障が多く、運転士がオフにしてしまうことがあった。07年、大里駅(宜蘭県)で列車衝突事故(死者5人)が発生した際も、運転士はATPをオフにしていた。これを受け台鉄は10年、ATP遠隔監視装置を全車両に搭載した。投資額は1,700万台湾元(約6,200万円)。ただ、誤信号が多過ぎるとの理由で、12年から導入したプユマ号には搭載しなかったとされる。

ニュース記事検索