ニュース 社会 作成日:2018年10月25日_記事番号:T00080029
約30年にわたり、中国からの密入境者を収容してきた内政部移民署(移民署)の新竹収容所が24日閉鎖された。台湾へ密入境する中国人の数はピーク時の1993年には年間5,944人に上ったが、中国の経済成長に伴い2000年以降は減少の一途をたどり、今年は9月時点で0人となっていた。
閉鎖を迎えた新竹収容所。中国人収容者数の推移は、中台の経済力の消長を直接反映していた(24日=中央社)
かつて台湾が中国よりも圧倒的に豊かだった時代、中国の福建省平潭島から船に乗り、新竹市の南寮漁港周辺に上陸する密航者があとを絶たず、上陸後、男は肉体労働、女は売春に従事することが多かった。中には5度も検挙されながら密航を繰り返したケースもあったという。
内政部によると、新竹収容所は中国からの密入境が増えて問題となっていた1991年に警政署に所属する「大陸地区人民新竹処理中心」として開設され、密入境者と不法滞在者(オーバーステイ)を収容。一時は1,200人以上の密入境者を収容していたそうだ。
こうして検挙された密入境者は、90年に中台双方の赤十字会が締結した刑事犯の引き渡しを取り決めた協定「金門協定」に基づき、中国へと送還されたが、台湾で最後の時を過ごしたのがこの新竹処理中心だった。
しかし中国の経済発展に伴い、危険を冒してまで台湾へ密入境しようとする者は減少。新竹処理中心は、移民署が開設された07年に同機関の管轄となり、名称も「新竹収容所」に変更され、中国人以外の外国人も収容するようになった。
その後も中国からの密入境は減少し、新竹収容所でもインドネシア人、ベトナム人など東南アジア人の割合が増えていった。24日に同所から移送された最後の収容者も、中国人は1人でベトナム人が6人だった。
なお、新竹収容所はもともと、日本統治時代に建立された「新竹神社」の建物を利用しており、台湾最大の社務所などひのき造りの建築物は01年に新竹市の市定古跡に指定されている。土地が新竹に、建物が国有財産署に移管された後に一般公開される予定だ。
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