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記事番号:T00080111
2018年10月31日15:40

 米商務省は29日、中国の福建省晋華集成電路(JHICC)が米国の技術を使用してDRAMを量産しようとしているとして、米国企業によるJHICCへの輸出や技術移転を制限する措置を発表した。JHICCは、台湾のファウンドリー大手、聯華電子(UMC)の技術協力を受け、年内に生産を開始する予定だった。JHICCの生産に関する技術は、UMCが米マイクロン・テクノロジーの社員を引き抜いて入手したとして訴訟合戦が繰り広げられていることから、米国が報復のために中国のDRAM生産を封殺したとの見方がある。31日付工商時報などが報じた。

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 JHICCは2016年2月設立。今年下半期に生産設備を200台搬入しており、年内に少量生産、来年初めに数千枚規模で生産を開始し、中国政府の「中国製造2025(メード・イン・チャイナ2025)」の下、中国初のDRAMメーカーとなる見通しだった。

 業界関係者は、米国の輸出制限措置により、米アプライドマテリアルズ、米ラムリサーチなどからの設備調達だけでなく、日本からのシリコンウエハー調達も困難になると指摘した。これにより、中国メーカーのDRAM生産は今後3~5年は実現しないとみられている。

UMC「影響なし」

 UMCは30日、JHICCとの提携関係に影響はないと表明した。

 工商時報や自由時報によると、UMCは16年よりJHICCのDRAM製造プロセスの開発を支援しており、生産の進度に応じて技術報奨金を受け取ることになっている。なお、JHICC総経理の陳正坤氏は、元マイクロン台中工場の総経理でUMCに転職し、JHICCに派遣されている。

 UMCとJHICC、マイクロンの間の特許侵害訴訟は17年より台湾、中国、米国で繰り広げられており、中国では今年7月、マイクロンに対しDRAMなど一部製品の中国販売を差し止める裁定が下された。今回の制裁措置はこれに対する報復と、中国メディアは指摘した。

台湾DRAMメーカーに恩恵も

 半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)世界最大手、日月光投資控股(ASEテクノロジーホールディング)は、子会社の矽品精密工業(SPIL)が設立した矽品電子(福建)にJHICCが約20%出資している。ASEは、華南地区の企業から幅広く受注しており、影響はないと説明した。

 一方、中国でDRAM生産が進まなければ、中国メーカーによる価格破壊も起こらず、DRAM市況が安定し、▽南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)▽華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)▽力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)──にとっては好材料となりそうだ。

【表】

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