ニュース その他製造 作成日:2018年11月1日_記事番号:T00080139
自転車世界最大手、巨大機械工業(ジャイアント・マニュファクチャリング)は31日、米中貿易戦争の激化を受け、米国向けに輸出する年間約30億台湾元(約110億円)分のハイエンド自転車の生産を、中国工場から台湾に移転すると発表した。杜綉珍董事長は、25%の関税上乗せで生き残れる製品など無いと指摘。台中工場拡張の他、桃園市での新工場も検討する。1日付工商時報などが報じた。
杜董事長。台北国際自行車展覧会(台北サイクルショー)は3日まで開催している(31日=中央社)
劉湧昌執行長は、米国の対中制裁関税は自転車が10%、電動アシスト自転車が25%のため、電動アシスト自転車などハイエンド製品の中国生産を台湾に移転すると説明した。人件費は高まるが、制裁関税を考えると安くつくと語った。
杜董事長は、電動アシスト自転車の成長は著しく、売上高構成比は17%に達しており、今後40~50%まで上昇すると予測した。
ジャイアントは1日より台湾工場で、創業46年で初の2交代制16時間生産を行う。これに伴い、従業員300~400人を募集する。来年第4四半期の中部科学工業園区(中科)新本部完成後には、現本部(台中市大甲区)で新工場を建設する計画だ。この他、大甲幼獅工業区や桃園市での工場建設も検討している。
米国工場も視野
杜董事長は、中国生産は縮小せず、中国や日本、韓国、豪州市場向け製品を担うと述べた。また、昆山工場(江蘇省)は、欧州連合(EU)の反ダンピング(反不当廉売、AD)関税対象から除外されたため、欧州向け生産を行うと説明した。
米国に工場を建設するかについて杜董事長は、様子見の段階と述べた。
劉執行長によると、米国の自転車市場規模は1,500万台で、これまで1,300万台が中国から輸出されている。
メリダ、5万台を台湾生産
自転車大手、美利達工業(メリダ)の曽崧柱董事長は、来年3月までに、2019年モデルの米国向け10万台のうち5万台の生産を中国から台湾に移転すると説明した。台湾は労働力不足が深刻なため、自動化を進める。一方、ロー~ミドルエンド製品は薄利のため、台湾生産を諦める。
曽董事長は、中国市場の売上高は3カ月連続で前年同月比5~8%増で、来年も楽観視できると説明した。
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