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プユマ号事故の合同告別式、運転士が遺族に謝罪


ニュース 社会 作成日:2018年11月1日_記事番号:T00080162

プユマ号事故の合同告別式、運転士が遺族に謝罪

 先月21日に起きた台湾鉄路(台鉄)のプユマ(普悠瑪)号脱線事故で、死亡した18人のうち台東県在住者16人の合同告別式が31日、台東市内の葬儀場で執り行われた。会場には事故列車を運転していた尤振仲運転士(業務上過失致死罪で逮捕、保釈中)が姿を見せ、涙を流しながら遺族に土下座して謝罪した。

/date/2018/11/01/18kakomi_2.jpg合同告別式に参加した尤運転士(前中)。一生の重荷を背負うことになったが、遺族たちの言葉は大きな癒やしになったはずだ(31日=中央社)

 事故で自身もけがを負い、29日に病院を退院したばかりの尤運転士は31日午前、弁護士、息子、娘とともに合同告別式が行われた台東殯儀館を訪れ、被害者の遺影に祈りをささげた後、遺族席に向かってひざまずき、号泣しながら「申し訳ありません」と叫び、三度にわたり額を床につけた。

 すると8人の親族を事故で失った遺族女性が駆け寄り「やめてください、尤さん」と声をかけ、立ち上がらせた。他の遺族が見守る中、女性は「われわれ家族はあなたを責めるつもりはありません」と述べた。尤運転士は再度泣き崩れ、「みんなを救えなかったことは、永遠に私の心に痛みとなります」と叫んだ。

 女性はさらに「しっかりけがを治して、体を大切にしてください」と声をかけ、尤運転士の子供たちに「あなたたちは私たちより幸運です。お父さんが生きているのだから。私はあなたたちを責めません。あの日起きたことの真相を一緒に見つけましょう」と呼び掛けた。すると尤運転士は涙を流しながら「はい」と答え、子供たちもうなずいて彼女に感謝の意を示した。

 その後、他の遺族からも同様に慰めの言葉をかけられると、尤運転士は号泣のあまり立ち上がれなくなり、子供たちに抱きかかえられながら会場を後にした。

 一方、告別式に参列した頼清徳行政院長に対しては、遺族が「台鉄はいつになったらわれわれに説明してくれるのか?いつになったら真相が明らかになるのか?」と詰め寄る場面が見られたほか、事故調査と公共交通機関の安全確保に向けて迅速な改善を求める厳しい声が上がった。