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ウィスコンシン現職知事落選、鴻海への影響に注目


ニュース 電子 作成日:2018年11月8日_記事番号:T00080277

ウィスコンシン現職知事落選、鴻海への影響に注目

 米国中間選挙で、鴻海精密工業の大型投資を誘致したウィスコンシン州の現職知事、スコット・ウォーカー氏(共和党)が落選した。州知事交代が鴻海の投資に与える影響が注目されている。8日付経済日報などが報じた。

 当選を決めた民主党のトニー・エバーズ氏は、同州は鴻海に租税面で過剰な優遇を行ったとして再交渉に取り組むこと、および鴻海の投資を誘致したウィスコンシン経済開発公社(WEDC)を解散する方針を表明していた。選挙戦では、鴻海への租税優遇措置が健康保険の給付を圧迫し、影響額は10億米ドルに及ぶとの懸念が最大の争点になっていた。

 鴻海は8日発表した声明で、ウィスコンシンでの投資計画継続を強調した。同社は2017年11月、同州に100億米ドルを投資し、先進的な液晶パネル製造エリアを設けることでWEDCと契約。その後、工場規模を当初計画の第10.5世代から第6世代に縮小し、アップルのiPhone向けなど中小型パネルを生産することを決めたと報じられている。

 アナリストは、鴻海の投資はトランプ大統領の最も重要な業績のため、州知事交代によって影響を受けることはないとの見方だ。また、産業界からは、米国が北米自由貿易協定(NAFTA)などの再交渉に取り組む中、鴻海は仮にウィスコンシン投資が中止または再交渉となったとしても、再構築の柔軟性が高まるため、悪材料とは決めつけられないとの指摘も出ている。