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記事番号:T00080294
2018年11月9日15:45

 電子機器受託生産大手、和碩聯合科技(ペガトロン)が8日、東南アジアへの進出計画を明らかにした。米中貿易戦争の影響回避が目的で、同時に人手不足や労働コストの上昇といった中国が抱える問題の解消を期待する。現在、具体的な投資先を模索している段階だ。9日付工商時報などが報じた。

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 林秋炭財務長は同日の業績説明会で、現時点では進出する国、および何カ国に進出するかは決めていないが、中国以外の国に生産拠点を設けることは決定しており、トランプ政権による新たな制裁関税の決定前に行動を開始すると明言した。生産拠点の移転費用は顧客メーカーに負担させる考えだ。

 また、廖賜政執行長は、中国の既存拠点は引き続き最適化を推進すると説明した。台湾拠点については、童子賢董事長が先日、当面の拡張を見合わせ、米中貿易戦争の影響を見極めると発言している。

 同社は、米中貿易戦争の影響が深刻化するのは来年で、世界経済を後退させかねないとみている。このため、東南アジアへの生産拠点構築によるリスク分散は急務との考えだ。

「制裁関税は促進剤」

 中国以外での生産拠点構築は、電子機器受託生産業界の共通課題となっている。ベトナム投資の検討を明言している仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は、トランプ政権による制裁関税は、単に生産拠点分散の促進剤の役割を果たしただけと指摘した。仮に制裁関税の継続がない場合でも、生産拠点の多角化を推進する考えだ。ベトナムでの生産規模、生産開始時期は米国による新たな制裁関税の項目リスト、および顧客の需要によって決めるとしている。

Q4業績、XR受注に注目

 ペガトロンは同日、第3四半期の業績と第4四半期の展望を発表した。第3四半期純利益は28億3,000万台湾元(約105億円)で、1億4,000万元の為替差損に見舞われた結果、2014年第2四半期以降で最悪だった今年第2四半期からさらに3.5%減少、前年同期比で22.2%減少した。今年第1~3四半期の累計純利益は78億4,200万元で、前年同期比28.4%減少した。

 アップルが同社に対しiPhone XR(テン・アール)の発注を10%削減したとの市場観測が伝えられる中、同社は第4四半期の見通しについて、昨年同期以上の売上高を計上できると表明した。10月売上高は1,860億元(前月比55.1%増、前年同月比11.6%増)で単月ベースで過去最高となっている。

 ただ、台新証券投資顧問の黄文清副総経理は、iPhone XRは発注削減幅が50%近くに達すると予想する日系証券会社もあり、ペガトロンの11~12月売上高に悪影響を及ぼすとの見方を示した。また、東南アジアへの生産移転には、賃金や募集を含む従業員の問題に一定の困難さが見込まれると指摘した。

【表】

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