ニュース 商業・サービス 作成日:2018年11月13日_記事番号:T00080347
国立故宮博物院の陳其南院長は、早ければ2020年末から故宮を改修のために3年間休館するとした方針が反発を呼んだことから、13日緊急記者会見を開いて一転して否定。「休館せずに改修を進める方向性」と訂正した。海外観光客の訪台意欲に悪影響を与えると批判された休館計画は、から騒ぎに終わった格好だ。聯合報電子版などが13日報じた。
故宮前で記念写真を撮る観光客。3年間休館はやはり影響が大き過ぎる(13日=中央社)
故宮の休館計画は12日、立法院教育文化委員会の質疑で「展覧館は再来年末に休館して展示を完全に終え、21年に移転を開始、22~23年に施工する」とした故宮の会議議事録を国民党の柯志恩立法委員が暴露したことで明らかになった。陳院長は「3年間の休館は決まり、行政院に報告した。しかしスケジュールは未定で、確定後に公表する」と答弁。文物は故宮南部院区(故宮南院、嘉義県太保市)に移転して展示する考えを示していた。
批判が噴出
しかし、台湾の他の博物館や美術館の館長を務めた識者からは、大英博物館やルーブル美術館が休館して改修した事例は聞いたことがなく、休館は故宮の国際的な信用にかかわるといった批判や、文物移転の安全性、南院に適切な保管場所があるのかといった指摘が出された。
また、世界四大博物館に数えられ、交通部観光局の統計で訪台観光客100人中36人が訪れる故宮が3年間も休館した場合、台湾を訪れる外国人観光客の減少を招くと観光業界団体も懸念を示した。
さらには、民進党の選挙情勢が厳しい中、故宮の宝物によって南部の観光振興を図る意図を示したもので、「政策による票の買収に等しい」との指弾も、一部メディアから出ていた。
陳院長は記者会見で、改修は行政院の認定を受けた新故宮計画に沿って進めるが、同計画では改修期間は休館しなければならないと言及されていないと説明。現在は当初計画に沿って、休館せずに改修を同時進行で進める方向だと明言した。故宮もニュースリリースを発行し、一部文物の南院移転と北院の拡張計画は必ずしも関係がないと指摘した。
地元は肩透かし
文物の南院移転が実現すれば延べ300万人の海外観光客が嘉義を訪れるとの政府試算もあり、地元の嘉義県などでは観光振興に期待感が高まったが、今回は肩透かしをくらう結果となった。
【図】
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