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「当選で蜂蜜レモン水提供」、台北市長選の異色候補が話題


ニュース 社会 作成日:2018年11月13日_記事番号:T00080371

「当選で蜂蜜レモン水提供」、台北市長選の異色候補が話題

 今月24日に投票日を迎える台北市長選挙の立候補者によるテレビ討論が先週末に実施されたが、そこである候補が公約した政見とパフォーマンスが大きな話題を集めている。

/date/2018/11/13/18kakomi_2.jpg殺伐とした選挙戦で、清涼剤のような存在となった呉氏。彼に票が流れないか、柯文哲市長も気が気でないのではないか(同氏フェイスブックより)

 今回、無所属で台北市長選に立候補した呉蕚洋氏(58)は現在、兆豊金融控股(メガ・フィナンシャル・ホールディング)傘下の損害保険会社、兆豊産物保険・花蓮支社の経理を務めているが、弥勒菩薩のお告げを受けて出馬を決意したという変わり種候補だ。

 その政見は、仏教徒らしく「平安、健康、知恵、慈悲」を軸とした政治を掲げているが、特に健康については「蜂蜜レモン水がとても体に良い」と主張し、「市長に当選すれば安く、便利な方法で蜂蜜レモンを提供し、市民を常に健康に保ち、あらゆる苦しみから遠ざける」と公約している。

 10日のテレビ局討論会でも、蜂蜜レモン水の素晴らしさを強く訴え、市民に大量に提供すれば、健康保険や介護保険にかかわる財務問題が自然と解決できると主張した。そして意表を突いて歌のパフォーマンスを披露。歌手・李麗芬の代表曲『愛江山更愛美人』の一節を朗々と歌い上げた。これについて呉氏は「人生短短幾個秋」という歌詞に「短い人生で政治に従事することになれば、時間を惜しんで人に尽くしたい」との気持ちを込めたとコメントした。

 これによって呉氏はがぜん注目を集め、『愛江山更愛美人』を歌う映像を加工したパロディー映像が次々とユーチューブなど動画投稿サイトにアップロードされた。中でも、ピアニストの官大為さんが呉氏の歌に他の候補の討論会での発言を組み合わせてアカペラ合唱風に編集した動画は「中毒性がある」などと人気となり、13日午後3時現在、再生回数が75万回近くに達している。

 蜂蜜レモン水にも急激に注目が高まっており、全家便利商店(台湾ファミリーマート)では、討論会が終了して以降、台湾全土の店舗で自社ブランド商品「檸檬蜂蜜水」の売り上げが2倍に増えているという。

 一躍話題の人となった呉氏は「台湾中で蜂蜜レモン水の知名度を挙げることができたから、任務の半分は達成できた」と語り、「立候補のための保証金200万台湾元(約740万円)を考えるとコストパフォーマンスは高い」と自己分析。「こんな賢い市長はなかなかいないよ」とアピールした。