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クアンタが台湾生産回帰、桃園に自動化工場


ニュース 電子 作成日:2018年11月14日_記事番号:T00080374

クアンタが台湾生産回帰、桃園に自動化工場

 電子機器受託生産大手、広達電脳(クアンタ・コンピューター)は13日、華亜科技園区(桃園市亀山区)の本部そばの土地と建物を取得し、自動化工場と人工知能(AI)実験室を設置すると発表した。米中貿易戦争による米国の中国製品への制裁関税を回避するため、ハイエンド製品やサーバーの台湾生産回帰を図る。14日付工商時報などが報じた。

/date/2018/11/14/00top_2.jpg林董事長は、AIこそがクアンタの進むべき方向で、30年前の創業時のような気持ちの高まりを覚えると述べた(13日=中央社)

 クアンタは13日の董事会で、中環(CMCマグネティクス)傘下の中嘉国際投資からCMCの旧林口第2、第3工場を取得することを決議した。敷地面積は1万1,000坪、延べ床面積は約9,000坪。投資額は42億8,000万台湾元(約160億円)。

 クアンタの林百里(バリー・ラム)董事長は、費用を負担することに同意した顧客向けに、台湾生産移転を徐々に進めており、生産ラインの全面自動化、AI導入で製造工程のコスト削減を図ると述べた。

 同業の東南アジアへの一部生産移転表明に関して林董事長は、クアンタは製造工程と製品のスマート化を進めており、より先進的な台湾を選択したと説明した。

 仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は今年9月に、ベトナム工場でのノートパソコン生産再開の検討を表明している。和碩聯合科技(ペガトロン)は今月8日、東南アジアに工場を設置する計画を明らかにした。英業達(インベンテック)は12日、台湾とマレーシアで一部スマート端末の組み立てを、メキシコやチェコでノートPCやサーバーの組み立てを行うと表明した。

医療用AIも

 林董事長は、AI実験室は当初、▽製造▽医療▽スマートホーム──向けとする考えで、AIは▽交通▽情報セキュリティー▽SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)──など合計12分野で応用できると説明した。10年後には、AIが人に代わり、仕事の30%を行うと予測し、商機に期待を示した。

 林董事長は近年、自ら大病院に出向き院長や副院長と面会し、医療現場のAI需要の理解を深めている。

CPU不足、ノートPC出荷減

 クアンタが13日発表した第3四半期連結売上高は2,821億5,200万元で前期比35%増、前年同期比2.2%増、純利益は47億800万元で、前期比33.2%増、前年同期比17.8%増だった。アップルのノートPC、MacBook Air(マックブックエアー)新製品やサーバーが貢献した。ノートPC出荷台数は990万台と前期比7.6%増、サーバーはデータセンター向けや産業向けで出荷が目標を上回った。

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 クアンタは第4四半期について、インテル製のCPU(中央演算処理装置)不足問題で、ノートPC出荷台数が前期比5%減少すると予測した。一方、サーバーは安定成長が続き、今年通年での2桁成長を見込む。

【図】