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東京五輪「正名」住民投票、スポーツ界に危機感


ニュース 政治 作成日:2018年11月22日_記事番号:T00080547

東京五輪「正名」住民投票、スポーツ界に危機感

 24日の統一地方選挙に合わせ、東京五輪に「台湾」という呼称で出場することの是非を問う住民投票が実施されるが、国際オリンピック委員会(IOC)はあくまで現在の「中華台北(チャイニーズタイペイ)」という呼称でなければ出場を認めない方針を崩しておらず、スポーツ界は一連の運動で選手の競技参加資格が奪われかねないとの危機感が広がっている。22日付聯合報が報じた。

/date/2018/11/22/17olympic_2.jpg選手たちが一斉に反対の声を上げたことで、住民投票は既に意義を失ったのではないか(21日=中央社)

 中華民国奥運人協会(オリンピアン協会)は20日、住民投票に反対する記者会見を開き、来年から五輪出場資格を争う競技が始まるのを前に、選手の競技参加資格を守り、選手が活躍する舞台を失うことがないようにすべきだと訴えた。

 今回の住民投票は、台湾の公的な場で使用されている「中国」「中華」といった呼称を「台湾」に置き換えることを目指す「台湾正名運動」の一環だ。

 しかし、IOCは台湾が1981年に「中華台北」の名義を使うことで諸外国・地域のオリンピック委員会と同等の権利を得られるとする協定を結んでいることを理由に、今回の住民投票に重大な関心を寄せており、仮に台湾が名義変更を目指せば、台湾の中華オリンピック委員会の資格停止など最悪の事態も考えられる状況だ。

 射撃の林怡君選手は「協定は選手が出場するための傘の役割を果たしており、協定を守ってこそ、世界に選手の好成績を示せる」と主張した。

 バドミントンの周天成選手は「もし出場権を失った場合、子どもたちから何を目標にすればよいのかと聞かれて、何と答えればよいのか」と話した。

 野球界も同様だ。プロ野球の中華職業棒球大聯盟(CPBL)の呉志揚代表は「台湾が五輪に参加する上で不利になるいかなる動きにも反対する」と述べた。

 教育部体育署は住民投票の結果にかかわらず、IOCとの協定を順守するとの立場だ。王水文副署長は「これまでも協定に従い、『中華台北』を名称として、台湾のスポーツ選手が他のIOC加盟国と同等の権益を得られるようにしてきた」と述べた。