ニュース 社会 作成日:2018年11月23日_記事番号:T00080573
24日に投票日を迎える統一地方選挙では、高雄市長選などで地方から北部に就労のために流出している、いわゆる「北漂青年」の問題が争点の一つとなる中、台北市などで働く南部出身者が故郷へ帰って投票できるよう、バスやレンタカーに無料で乗せるとの表明が相次いでいる。
国民党の新北市長選候補、侯友宜氏(右)は、市内に働きに来ている高雄市出身者に対し、帰省して同党の韓国瑜候補に投票するよう訴えた(22日=中央社)
花蓮県のバス業者はこのほど、投票のために帰郷する同県出身者のために観光バス10台を無償提供すると宣言。23日午後4時に台北を出発し、花蓮県で寿豊郷から玉里鎮までの6カ所に停車して利用者を送り届ける予定で、「どの政党の支持者でも歓迎する」としている。
なお、サービスは片道だけで、「投票後は家族と過ごしたり、観光に出掛けてほしい」と業者は語っている。
また桃園市のレンタカー会社で運転手を務める男性も先日、フェイスブック(FB)上に、支持政党にかかわらず投票のために帰郷する南部出身の若者(40歳以下)のために、10台のレンタカーを提供すると表明。23日午後6時~7時に台北駅を出発し、台中、台南、高雄まで送り届ける計画を示した。
ただ、この「支援表明」では、「某政党が政権を握って以来、経済は不振に陥り、大気汚染も悪化している。高雄市長選で国民党の韓国瑜候補に投票できる有権者がうらやましい」と記している。国民党を支持している気配が濃厚だったためか、ネットユーザーからは彼の行動に「選挙法違反ではないか」とのコメントが寄せられた。
実際にその後、彼の自宅を警察が訪れて事情聴取を受けることとなり、法に触れる可能性があると注意を促されたことから「事が大きくならないように」とレンタカーでの支援計画を撤回した。
今回の問題について弁護士は「車両を利用する人に対し、特定の候補に投票するよう、直接、間接的に要求しなければ刑事責任は生じない」と説明したものの、慎重に扱わなければ違法行為となる恐れがあると指摘した。
このほか花蓮県では、帰郷して投票する有権者の宿泊料を5割引きにすると宣言する民宿も出現している。「北漂青年」を支援する熱意の盛り上がりからは、この問題がいかに若い世代の共感を呼ぶかが見て取れる。
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